元ロッテの喜多隆志監督(41)率いる興国が夏の頂に向けて好発進。昨秋、今春の大阪大会は共に8強入り。シード校の実力を見せつけ登美丘を6回コールド勝ちで圧倒した。

夏初戦のマウンドを託された背番号11の右腕入西思輝(しき、3年)が6回を投げきり3安打完封。「後ろに良いピッチャーがいるので飛ばしていけた」と得意の緩急を使った投球。エース格である田坂祐士(3年)と大江遼也(3年)の両左腕は登板しなかったが、今夏は総合力の高い投手陣が武器となる。打っては喜多監督からの振り子のように足を上げるアドバイスで打撃が向上した山田直也内野手(3年)が3安打2打点。打線は毎試合5得点以上がノルマ。夏の目標は「大阪桐蔭を倒して全国制覇」と山下健信主将は力強く語った。

喜多監督が就任したのは18年8月。就任後初めて入部してきた選手が現3年生で「思い入れはある」と今夏にかける思いは強い。「細かいことをいっぱい言ってきたが山下はじめついてきてくれた」と喜多監督はあいさつ、服装など人として大切なことを指導。部員119人の大所帯が甲子園を目指し一致団結する要因になっている。

「素直で、純粋に甲子園を目指している」と喜多監督が語る選手たちが、75年夏以来、46年ぶりの聖地を目指す。【岡崎空日南太】