“前田マジック”さく裂で帝京が5回戦に進んだ。明大中野に0-1とリードされ迎えた6回、1死満塁とするも6番白石は2球で追い込まれた。そのタイミングで代打に横堀樹捕手(3年)。直後の直球を投手と一塁手の間に転がす同点スクイズ(記録は内野安打)を決め、雄たけびを上げた。さらに2点勝ち越し、逃げ切った。

劇的勝利も、前田三夫監督(72)は「この弱さは本物ですよ」と怒りを隠さない。初回に1点先取された後、再三の好機でひっくり返せなかった。ならばと、大胆策で勝ちにいった。スクイズの場面は「相手投手は速球に自信を持っていた。三振を取りに来る」と冷静に分析。横堀はバントに自信があるわけではないが「お前で行くぞ」と言われ、「はい!」と即答した。「(スタメン落ちを)見返したかった」。メンタル最強。帝京の強さの源だ。

▼明大中野・岡本良雄監督(同点スクイズに)「スクイズは頭にはありました。ただ、2ストライクで代打で、まさか一発目でやってくるとは。さすが、帝京さんです」