履正社(大阪)の秘密兵器、1年生右腕・今仲巧投手が今夏初先発で5回2失点と力投。

四條畷に10-3の8回コールド勝ちを呼び込んだ。

「緊張しかなかった」と立ち上がりを攻められ初回に1点の先制を許した。それでも直後の攻撃で4番松林克真内野手(3年)が左越えに2試合連続となる逆転3ラン。松林は「1年生が投げているから早く点を取ってあげたかった」と、下級生右腕の晴れ舞台を高校通算14本目のアーチで後押し。今仲は「先輩が打ってくれると信じていた。回を重ねるごとに自分らしい投球をできた」と、リードを奪った2回以降は打たせて取る投球で四條畷打線を手玉に取った。「いい経験をさせてもらった。次はもっといい投球を」。15歳とは思えないしっかりとした表情で、さらなる成長を誓った。

1年生に先発を抜てきした岡田龍生監督(60)は「将来エースになるくらいのボールを投げられる。こういうところで経験を積み重ねてくれたらな」と大きな期待を寄せている。

チームは3戦連続の2桁得点。3試合で53得点と快調を維持し、2年ぶりの聖地へ突き進む。【前山慎治】

◆今仲巧(いまなか・たくみ)2005年(平17)8月18日、大阪府出身。小学5年時に池田AGで野球を始める。中学時代は宝塚ボーイズに所属し、投手や二塁。履正社進学後は投手に専念。憧れは宝塚ボーイズの先輩の楽天田中将。178センチ、70キロ。右投げ右打ち。最速は137キロ。変化球はカット、チェンジアップ、カーブ、スライダー。

○…履正社・岡田龍生監督(60)はコロナ禍による出場辞退に「全国みんな怖いと思っている。明日はわが身でどのチームもおびえているのではないか」と見えない感染症への恐怖を口にした。同監督は「ほとんどが家から通っている」と選手の管理の難しさを明かしつつも「グラウンドでは体温も測っている。(外出は)彼らに任せているが、気をつけるようには言っている」と注意を払っている。