今秋ドラフト候補の最速150キロ左腕、大阪桐蔭・松浦慶斗投手(3年)が、センバツ以来の公式戦登板で復活をアピールした。

チームの今夏3試合目。4回戦の城東工戦で大量22点リードの5回からマウンドへ。2死から1安打を許したが、最速146キロを計測するなど17球で2三振を奪い、コールド大勝を締めた。それでも満足することはなかった。「しっかり準備したつもりだったけど、最後にヒットを打たれたし、自分の隙が見えた」。厳しく自分を戒めた。

ロケット四天王の一角として、センバツ1回戦で智弁学園(奈良)戦に先発したが4回4失点。まさかの初戦敗退を喫した。「生まれてきた中で、一番悔しかった」。そこから自分を見つめ直し、自分を変えた。

走り込みを中心に下半身強化を徹底。5月の近畿大会中には、西谷浩一監督(51)からの助言でワインドアップだったフォームをセットに改造した。三振を取れるように、真っすぐの質も磨いた。打たれた映像が頭をよぎり、強気になれない時期もあったが精神面も成長。「真っすぐを、打てるものなら打ってみろ」。タフな心も身につけ、再び背番号1を託された左腕が夏の舞台に帰ってきた。

西谷監督は開幕から登板機会を探ってきたが、全てコールド勝ちでこの日まで先伸ばしになっていた。地道な取り組みを見守ってきただけに「調子は悪くないし、しっかり投げてくれた」と目を細めた。激戦区の大阪大会はこれからが佳境だけに、松浦の復活は心強い。エース左腕も誓った。「相手もどんどん強くなっていくし、チームが勝つのが最優先。絶対勝ちきりたい」。春夏連続の甲子園でセンバツのリベンジを果たすべく、上々のリスタートを切った。【三宅ひとみ】