八尾が劇的な逆転サヨナラ勝ちで16強入りを果たした。

1回に先制したが3回に同点に追いつかれ、7回には勝ち越しを許してしまった。

2点を追いかける9回。長尾彦秀(よしひで)投手(3年)から3者連続四球で1死満塁とし、代打・土庵恵次郎外野手(3年)の適時内野安打で1点差まで追い上げた。続く8番・山口貫太郎内野手(3年)が左前へサヨナラの2点打を放ち、逆転勝利した。山口は「打った瞬間のことはあまり覚えていないけど、本当にうれしいです」と満面の笑みで話した。

投げては先発長尾が、9回完投。苦しい時も、ベンチからの「楽に! 楽に!」という声に支えられた。9回には無死二、三塁のピンチがあったが、3者連続三振を奪い、逆転劇の流れを作った。

八尾は昨夏、2回戦で登録メンバー外が代打に入り、規定外と判断され没収試合になった。ナインは、当時の3年生の姿がいつも心の中に残っていた。先輩からは、卒業してからもラインでやりとりをし「頑張れ」といつもエールをもらい、力に変えた。主将の嶋崎大河外野手(3年)は「先輩への思いがあったから、ここまで頑張れている」と強く話した。

公立校ながら昨秋は8強入り。今大会も「打倒私立」として夏の甲子園出場を目指す。長田貴史監督(44)は「秋の自分たちの成績を塗り替えたいという思いがある。簡単ではないが、1戦1戦勝ちにいきたい」と意気込んだ。