<高校野球西東京大会:国学院久我山4-3日大三>◇31日◇準決勝◇東京ドーム

日大三(西東京)・星憂芽外野手(3年)は淡々と心中を吐露した。「最後の大会で打てたのはうれしいです。自分の成績に悔いはありません。でも、負けたのは悔しいです」。一時同点のソロを含む3安打。三塁打が出ればサイクルの活躍だったが、1点差の惜敗を喫した。1番打者は涙は見せずに振り返った。

“悔しさ”が成長の源になった。昨秋都大会で準優勝するも、関東5位校の東海大相模(神奈川)との比較でセンバツ漏れ。選考委員からは「得点力不足」と指摘された。「悔しくて…。全員、チーム一丸でバットを振り続けました」。多い日は1000スイング近く。今春都大会は強打で勝ち上がり準優勝した。「見返すというわけじゃないですが、少しは打てるようになったかな」。この日の3安打にも、つながった。

チームは、コロナ禍で悩みが尽きなかった。恒例の冬合宿は、免疫を下げないよう強度を落として実施。油断なく感染予防に取り組んできたが、それでも5月に部員に陽性者が出た。小倉全由監督(64)は「毎日が心配でした。体調を崩さずにやるのは難しかったですね。選手はよくやった。負けたのは監督の責任です」と締めくくった。三高の夏が終わった。【古川真弥】