さあリベンジだ。第94回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)組み合わせ抽選がオンラインで実施され、初出場のクラーク(北海道)は、大会第1日(18日)第3試合で、昨年11月の明治神宮大会初戦で対戦した九州国際大付(福岡)と対戦することが決まった。

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同大会では守備の乱れから失点し、打線も散発5安打1得点に抑えられ1-5で敗れた。チームはこの日、本州入り。冬場のトレーニングと、ここからの実戦で組織力に磨きをかけ、雪辱につなげる。

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激しく気持ちが高ぶった。白取太郎主将(2年)は抽選前に、左の山中麟翔(りんと)、右の辻田旭輝(あさひ、ともに2年)のダブルエースから、秋の再戦を熱望されていた。相手が九州国際大付に決まり白取は「山中、辻田が『もう1度やりたい』と話していた。実現してうれしい。今度は絶対に負けるわけにはいかない」と意気込んだ。

明治神宮大会では敗れたが、決して力の差があったわけではなかった。初回と3回にいずれも無死一塁の場面で犠打を失敗し併殺。全道5戦で19犠打を記録した精度を披露できず、3回には味方の守備のミス絡みで3点を失い、流れをつかめなかった。佐々木啓司監督(66)は秋の敗戦を振り返り「またやれて良かったよ。守備と攻撃のミスがなければ、楽しみな試合になる」と歓迎した。

神宮での反省から、チームとして呼吸の方法を見直してきた。白取主将は「全道大会では試合の合間に深呼吸をして、みんなで落ち着きを取り戻せたが、神宮ではできなかった。緊張すると吐く力が強くなる。ピンチでもしっかり息を吸い込めるように」。イニング間、マウンドに集まった際に息を正し、聖地の空気を胸いっぱいに吸い込み、勝利に全集中する。

快記録1号の可能性も出てきた。今大会では大垣日大の阪口慶三監督(77)と佐々木監督の2人に、昭和、平成、令和の3元号勝利の可能性がある。大垣日大は第4日(21日)に登場するため、初日に登場する佐々木監督が勝てば初の達成となる。「開幕日は意外といい。開会式で1回、土を踏める。その後、時間を置いて3試合目だからね」。系列の環太平洋大の吹奏楽部が応援にかけつけることも決まり、状況次第では関西近郊のクラークキャンパスから約1000人の大応援団がかけつける。地に足着け、スタンドも一体となり、初の甲子園1勝をたぐり寄せる。【永野高輔】

◆21年明治神宮大会1回戦VTR 11月20日、クラークは九州国際大付(福岡)と対戦。最速148キロの先発右腕辻田は、2回まで無失点と上々の滑り出しを見せるも、3回に守備のミスから3失点。4回裏に1点返すも直後の5回、辻田が連続四球から押し出しで追加点を許し、流れを引き寄せられなかった。5回途中から登板の2番手左腕山中も、9回に1点を失い、1-5で敗退。

▽九州国際大付・野田海人主将(2年) 相手は走攻守そろった素晴らしいチーム。神宮大会の再戦というやりにくさは感じていない。自分たちらしいプレーを見せるだけ。