来春のセンバツ出場に向けた重要な参考資料となる、秋季東北地区高校野球大会(10~16日、山形)の組み合わせ抽選会が9月30日、オンラインで行われた。昨秋の東北王者で2連覇、2年連続センバツ出場を目指す花巻東(岩手1位)は、11日の2回戦(初戦)で今夏甲子園に出場した鶴岡東(山形2位)と激突。初戦を突破すれば、東北勢初の「白河越え」を成し遂げた仙台育英(宮城2位)と昨秋東北4強の青森山田(青森1位)の勝者と準々決勝で対戦する「死のブロック」に入った。

   ◇   ◇   ◇

花巻東は最激戦区からセンバツ出場に挑む。初戦の相手は難敵・鶴岡東に決定。そして、1勝すれば準々決勝で今夏甲子園王者の仙台育英と対峙(たいじ)する可能性がある。高校通算90本塁打の佐々木麟太郎主将(2年)は「非常に手ごわい強力なチームが集まっている大会なので、先を見ることなく、一戦一戦に勝っていくことだけを考えて、みんなで頑張っていきたいです」と東北2連覇への決意を語った。

注目の怪物スラッガーは県大会で大爆発した。4試合で15打数11安打3本塁打10打点。チームを2年連続の岩手王者に導く働きを見せた。「自分自身の状態的にも段々上がってきた感覚もないわけではないが、今大会の結果に満足せず、大一番は次だと思っています」。一戦必勝で勝ち上がることしか考えていない。

東北大会優勝校は11月開催の明治神宮大会に東北代表として出場する。また今大会は第95回記念選抜高校野球大会(来年3月18日開幕)の出場校を決める上で、重要な参考資料になる。記念大会のため、東北の一般出場枠は例年の2から3に増え、チャンスは広がった。今春センバツで花巻東は市和歌山に4―5で惜敗し、初戦敗退。当時通算56本塁打の佐々木麟も、4打数無安打に封じられただけにリベンジへの思いは強い。

「自分もあの地に立ってみて、改めて甲子園という舞台が、どれだけ高校野球の聖地なのかを実感しましたし、その中でも自分自身も悔しい思いをしたので、何とか一戦一戦ものにしてまた、あの舞台に花巻東として戻ってリベンジできるように、この東北大会は一戦に全力をささげていきたいと思います」

佐々木麟が自身2度目の甲子園へ突き進む。【山田愛斗】