加茂暁星は日本文理に5-3で逆転勝ち。初優勝した20年秋以来、春は初の決勝に進出した。3-3の8回裏2死三塁で7番小杉瑠之介捕手(3年)が勝ち越しの左越え二塁打を放つなど2安打の活躍を見せた。帝京長岡との決勝は12日に行われる。

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投手陣を支える捕手のひと振りが試合を決めた。「三塁ランナーが残っていたので、なんとか勝ち越そうと思った」。3-3の8回裏2死三塁。小杉は日本文理エース高橋史佳投手(3年)の外角高めに浮いた真っすぐをコンパクトに振り抜き、勝ち越し左越え二塁打を放った。

2回の第1打席、三振も高橋をとらえられる感覚があったという。「ストレートが(数字以上に)来てなかった。『いける』と思った」。小杉は手応えをつかむと、5回の第2打席では先頭で中前打を放っていた。押切智直監督(47)は「いいところで打ってくれた。褒めてあげたい」と小杉の勝負どころでの一打をたたえた。

捕手としても日本文理打線を2安打に抑える好リード。相手がバットを短く持って対応してきているのを察すると「長打はない」と判断。強気にインコースを攻め込み、打線を封じ込んだ。「(先発の)真保(龍聖投手)とも攻めていこうと話した。逃げずにインコースに投げ切れてた」と2年生エースの好投を引き出した。

20年秋に初優勝も、春は初めての決勝進出。「自分がしっかりリードして最少失点に抑えたい」。2回戦で第1シード新潟明訓を破った勢いそのままに頂点を目指す。【大島享也】

○…日本文理 「夏1本しかない。自分が甲子園に連れて行くつもりで練習したい」。主将でエースの高橋史佳投手(3年)は悔しそうに言った。1回と4回に自己最速149キロが球場に表示されたが、終盤に捕まった。被安打9で5失点。7回2/3を投げ、マウンドを下りた。「球速が終盤に落ちた。スタミナ配分、集中力の切れなど課題は山積み。それをプラスに考えてやりたい」と春に出た課題を克服し、夏へ仕切り直す。