高校歴代最多の通算130本塁打を誇る花巻東・佐々木麟太郎内野手(3年)が、チームを春5連覇に導いた。

背中の痛みによる欠場を経て復帰した27日の準決勝・盛岡四戦に続いて「3番一塁」で先発。逆転打を含む4打数2安打4打点と躍動した。昨夏甲子園に出場した一関学院撃破の原動力になり、「とにかく勝つことに命をかけて戦った。どんな状況でもしっかりプライドを持って打席に立てた」とうなずいた。

佐々木麟が2試合連続で決勝打を決めた。0-2の初回1死二塁、カウント1-1から中前に反撃の適時打を運ぶ。変則左腕に代わった直後の1-2の3回無死満塁では、初球をたたいて左中間に逆転の3点適時二塁打。準決勝に続く4打点に「大きいのは狙ってなかったし、チームに得点を与えることが自分の大きな役割だと思っている。とにかく強い打球を意識しながらいい形で結果として残ってくれた」と振り返った。

3回にはヒヤリとする場面があった。逆転二塁打を放ちなおも1死満塁。広内駿汰外野手(3年)が三塁線に放ったファウルボールが、三塁走者・佐々木麟の右すねに直撃するアクシデントがあった。苦悶(くもん)の表情を浮かべ、しばらくその場にうずくまり、チームメートの肩を借りながらベンチに戻った。臨時代走を送られたが、4回の守備から復帰。試合後に「けっこう強い当たりで(広内が)狙っていたのかな」と笑い飛ばし、大事には至らなかったと強調した。

花巻東は第1代表で東北大会(6月7~11日、岩手)出場を決めた。「夏に向けていいゲーム、いい経験をさせてもらえると思う。岩手代表としての自覚をしっかり持って戦い抜きたいし、岩手開催なので、岩手の野球を、新球場(きたぎんボールパーク)をさらに盛り上げていけるように、岩手代表の3校で頑張っていきたい」と意気込んだ。