春夏7度甲子園で指揮をとった経験があり、昨年10月から篠山産を率いる長沢宏行監督(70)が同校で初めて迎えた夏の初戦で敗れた。

初回に先制を許すと3回にも失点する苦しい展開。継投で立て直しをはかるなど逆転勝利を信じて動いた。4点ビハインドの8回には3点をかえして、なおも2死一塁から代打を起用。だが、凡退となり同点機を逃した。9回には追加点を奪われてリードを広げられた。積極采配も見せたが、初戦敗退に終わった。

試合後、長沢監督は「9回は0で抑えていたら、何かできたのかなと。ちょっと反省があります。8回は向こうがついていた。どっこいどっこいの試合じゃないかと読んでいたんですけど。まだ1年も付き合いがないので、選手には申し訳ないなと思います」と勝利に導けず、反省が残った。

長沢監督は神村学園(鹿児島)を率いて05年センバツで準優勝。創志学園(岡山)でも甲子園に春夏6度導いた。22年夏の甲子園を最後に退任し、同年10月から篠山産の監督に就任した。

篠山産は甲子園出場ゼロの公立校で、今春の県大会では2回戦で敗退していた。

これまでは私立校を率いてきたが、今回は公立校。「生徒との距離感が私学と公立の先生とは違う。半分は創志(学園)のことが気になってる自分もいる(笑い)。比較はしないが、こんなところでこんなプレーが出るんだという驚きの方が大きい。なかなかうまくはいきません」と私立校と公立校の違いも痛感している。

主将の大槻冴斗内野手(3年)は長沢監督について「勝負へのこだわりを感じた」。監督が就任してから甲子園を意識。「監督が甲子園を経験されているので自分たちもやる気が出た」と話し、この試合前には「夏は勝たないと意味がない。甲子園を狙って1戦1戦やろう」とナインに声がかけられた。試合に敗れたが、「1人1人の意識が上がった。チームが一丸となれた」と振り返った。

長沢監督も「いい子と出会えた。秋からは落ち着いてできるかな。隙があれば甲子園を狙いたい」。新チームでも虎視眈々(たんたん)と聖地を目指す。