雨天の影響で2、3回戦3試合のみが行われ、九州北部豪雨被災地の久留米市にある県内屈指の公立進学校、明善は善戦報われず、西南学院に3-13で大敗した。だが、一時2点差を追いつくなど執念を見せた。特に被害甚大だった同市田主丸(たぬしまる)町の田主丸中出身の林岳明(たけあき)投手と小島伯(はく)捕手(ともに3年)のバッテリーを中心に奮戦して、被災地に勇気と元気を与えた。

小6から高校までバッテリーを組む林、小島中心で一丸となり、被災地に勇気と元気を与えた。

2点を追う2回だった。先頭の4番林が外角直球をとらえ左前安打で出塁。さらに1死二、三塁とチャンスを広げ、小島が右翼線に2点適時三塁打。一時同点に追いつく意地を見せた。

一方で、林が2回0/3 7失点でKOされた。だが、小島はピンチのたびにマウンドに行き、林に「ずっと表情が硬かったので、楽しんでほしいと話した」と声がけ。逆境の中でも「被災した方に明るいニュースを届けたい思いでした」(林)といい、被災者の思いを胸に戦った。小島も「全力でできたので悔いはありません」と死力を尽くした。

10日、活発な梅雨前線の影響で九州北部を中心に激しい雨が降り続き、各地で土砂崩れや河川氾濫が発生。久留米市田主丸町竹野地区においては、土石流に7棟が巻き込まれ、住宅に土砂が流入して犠牲者が出るなど甚大な被害を受けた。小島が「ずっと滝みたいに降り、巨瀬川があふれたのは初めて見た」と驚く危険な状況だった。

竹野地区は、林と小島が小学校時代所属した軟式の竹野レッズで練習した場所で、知り合いも多い。この日雨天中止順延になった被災地域の朝倉高にも、浸水被害にあった田主丸中野球部の元仲間がおり、強い思いで戦った。当初5日初戦から降雨中止順延で、7日ぶりの試合だった。コンディションは万全だったとは言えない。それでも、最後まで傷ついた故郷を思い歯を食いしばった。【菊川光一】

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