<高校野球茨城大会:日立商3-0古河三>◇18日◇3回戦◇ひたちなか市民球場

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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古河三(茨城)の主将、飯田隼人内野手(3年)の夏は3回戦で幕を閉じた。4回に右前打を放ち、試合後は「自分たちのできることはすべてやり尽くした」とすがすがしい表情だった。

家事と学業、野球で大忙しの3年間だった。父子家庭で育ち、長距離トラック運転手として働く父伸一さん(41)と中3の弟翔吾くん(15)の3人暮らし。午後8時まで練習に励んだ後、「得意料理はチャーハン」と弟と自分の洗濯と料理をこなし、午後9時から塾に通う日もあった。「塾の前に家事が片づかなければ、(午前)2時くらいまで寝られないこともあった」と苦労もあった。

多忙な日々の中で、飯田を突き動かし続けたのは、高校野球への憧れだ。「小さい頃から、すごい応援の中で試合をして勝ちたいと思っていた」。父への感謝も忘れない。「平日は夜中も仕事で疲れているのに、休日は試合会場まで送ってくれた。感謝しかないです」。

将来の夢は国語科の教員。まずは4年制大学への進学を目指す。今年に入ってからは祖母の力も借り、学業に集中できる環境が整った。「監督のような先生になりたいです」と田嶋一彦監督(61)への憧れを口にする。恩師のような教師になるため、学業に全力集中する。【村山玄】