<高校野球兵庫大会:東洋大姫路10-9神戸学院大付>◇19日◇4回戦◇ほっともっと神戸
高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。
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人垣のむこうに、懐かしい顔がいくつもあった。東洋大姫路に敗れ、現チームで臨む試合後のラストミーティング。同級生やこれからの神戸学院大付を託す後輩たち、さらに先輩たちも駆けつけてくれた。多くの温かい目が見守る前で、峯松倖生(こうせい)主将(3年)は「勝てよ、お前たちは。わかったな」と優しい顔で下級生に思いを伝えた。
1年秋から主将を任された。創部6年目の秋の県大会で決勝まで駆け上がったチームの中心だった。視野の広さ、バランスよく物事を見る力を岩上昌由監督(47)に認められ「峯松を中心に3年越しでチームを作る」と抜てきされた。
先輩にも物を言わなければならない立場。それでも「任された以上はやるしかない。昨年の先輩が支えてくれ、今年の3年生が支えてくれ、キャプテンを2年間やれた。まわりに感謝しかないです」と繰り返した。周囲の理解に恵まれたのも、本人が持つひたむきさも大きかったはずだ。
1年秋は近畿大会に出場。初戦で市和歌山に惜敗も、甲子園が見えた。だが昨夏は県8強、昨秋は県3回戦で敗退。「先輩を甲子園に連れていきたい気持ちは強かったです」と目をはらした。まわりを思いやった2年半を終え、峯松は「キャプテン」の肩書をおろした。【堀まどか】

