全国屈指の「投手王国」が連覇へのスタートラインに立った。昨夏甲子園優勝の仙台育英(宮城)が仙台城南に2桁安打&2桁得点で大勝し、2年連続30度目の優勝を果たした。エース右腕・高橋煌稀投手(3年)が4回1安打無失点に抑えるなど、4投手による無失点リレー。チームの持ち味である投手陣は、今大会5試合で2失点(自責1)と盤石。「守り勝つ野球」で、再び宮城と東北に感動の瞬間をもたらす。
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エース高橋が、連覇への挑戦権を懸けた一戦で自信を持って投げ込んだ。シード校を次々と破り、初の決勝進出を果たした相手に140キロ台の直球で挑んだ。「自分の長所はストレート。一番いい球を並べて抑えようと思った」。内角、外角へと丁寧に制球されたボールで先制点は与えない。この日初めて得点圏に背負った3回2死二塁でも、直球で遊ゴロに封じ4回の4得点に流れを持ってきた。
昨夏の日本一を経験した投手陣は、高橋に加え、左腕の仁田陽翔投手、右腕の湯田統真投手(ともに3年)と3人が残る。決勝では仁田は148キロ、湯田は150キロをマーク。盤石の投手陣に加わった田中優飛投手(3年)は13点リードの8回から登板。前日22日の準決勝は5回100球で1失点と力投したが、ボール先行でテンポを乱し、須江航監督(40)に決勝での連投を志願した。1回を3者凡退に抑え「自分の本来である変化球で打たせるピッチングができた」と笑みを浮かべた。
ベンチ入りした5人の投手は全員最速145キロを超える。県大会5試合で2失点したものの、スクイズと内野ゴロの間の失点で適時打は1本もなかった。須江監督は「組み合わせが決まった時からこういうローテーションになればいいなと思っていて、(大会通して)5人の投手が活躍してくれた。(今日は)理想通りの継投だった」と評価した。
今春はセンバツ8強。報徳学園(兵庫)に1点差で敗れた悔しさをバネに成長した。全国で有力校が次々と敗戦する中、圧倒的な力で頂点に立った。高橋は「去年よりも投手陣のレベルは上がっている」と力を込める。夏の甲子園連覇を達成すれば04、05年の駒大苫小牧(南北海道)以来。一戦必勝で、チーム一丸でスコアボードに「0」を刻む。【相沢孔志】
◆仙台育英 1905年(明38)創立の私立校。生徒数は3225人(女子1494人)。全日制は特別進学コース、外国語コースなどがあり、広域通信制もある。野球部は30年創部で部員数73人。甲子園出場は春15度、夏30度目。最高成績は22年夏に春夏通じて東北勢初優勝。主なOBはソフトバンク上林誠知、ロッテ平沢大河ら。仙台市宮城野区宮城野2の4の1。加藤雄彦校長。

