第105回全国高校野球選手権岩手大会で4年ぶり11度目の優勝を飾り甲子園出場を決めた花巻東が27日、花巻市内の同校で岩手大会優勝旗の披露式及び全国選手権壮行式に臨んだ。
前日26日の決勝は投打がかみ合う盤石の内容で、盛岡三に10-0で快勝。生徒約660人から祝福を受け、チームスローガン「岩手から日本一」の達成に向け、気持ちを新たにした。
◇ ◇ ◇
花巻東ナインは優勝旗を持った千葉柚樹主将(3年)を先頭に真剣なまなざしで入場した。人工芝グラウンドで行われた式典では、学校関係者や約660人の生徒から大きな拍手で迎えられた。壇上に上がった千葉主将は「皆さんの応援があって優勝が出来ました。甲子園では花巻東高校を背負って全力でプレーしてきます。1戦1戦、戦い抜いて必ず優勝できるように頑張ります」とあいさつした。
高校通算140本塁打の佐々木麟太郎内野手(3年)も一夜明け、改めて甲子園出場の喜びをかみしめていた。式典前には「こんな表情を見たことない」と学校職員から言われるほど満面の笑みを見せていた。取材対応では表情を引き締めながら「うれしさが強くて、なかなか実感が湧きづらい」と率直な胸の内を明かしつつ「1日1日を大切にして甲子園開幕に向けてしっかり準備したいです」と力を込めた。
花巻東は19年以来、夏の甲子園から遠ざかり、今夏は「逆襲」をチームテーマに戦った。1年時から主力の佐々木麟は21年が準優勝、昨年が4強と、いずれも涙をのんできた。三度目の正直で悲願の優勝。逆襲は進行形かという質問には「これからが本番だと思っている。あくまでも県大会は段階を踏む場。ここからが大事だと思っているので、とにかく1戦1戦、自分自身も1打席1打席をかみしめて全力で戦い抜きたいです」と誓った。
佐々木麟にとっては昨春センバツ以来、自身2度目の甲子園出場だ。報道陣に「逆襲」と記した帽子を見せながら「逆襲! 今年の自分たちのテーマでもありますし、とにかく自分自身にとっても、この野球人生にかけて戦ってきた。甲子園でもベストを尽くして自分自身としても命をかけて戦いたいです」と決意表明。「岩手から日本一」を成し遂げるために、主砲がチームをけん引する。