海洋の背番号1、中原龍之介投手(3年)は今春府大会3位の京都両洋打線につかまった。先発で2回途中5失点を喫して降板。それでも表情は晴れやかだった。「最後は勝てなかったけど、やりきった。『四球でもいいから腕を振れ』というキャッチャーからの言葉をもらって思い切り腕を振れた。やってきてよかった」。力を出し切った。

海洋は近畿で唯一の海洋水産系の単独校。卒業後は潜水士や航海士、ダイバーなど海にまつわる仕事に従事する生徒も多い。中原も海洋科学科に所属する。授業の実習では岩ガキの育成や海洋ゴミの回収、学会への参加などさまざま。「土日はボランティアに参加するためにつぶれたり」と、野球の練習ができないこともあった。ケガを抱えた時期もあった。それでも辞めずに最後まで戦い続けた。

将来の夢は海上自衛隊に入ること。陸上自衛隊で活躍中の母優美子さん(46)の影響で、「自分を犠牲にしてまで人を助けたい」との思いが芽生えた。今年元日の能登半島地震では発生2日後から被災地で活動した母に「お母さんの姿はかっこいい」と目を輝かせる。いつか自分も母のように。やりきった野球の次は、人のために尽くす。【林亮佑】