第32回U18W杯(5日開幕、沖縄)に出場する高校日本代表が2日、大会前最終戦となる沖縄県高校選抜との壮行試合(沖縄セルラー那覇)に臨んだ。代表唯一の2年生、末吉良丞投手(沖縄尚学)が先発した。相手先発は新垣有絃(ゆいと)投手(2年=沖縄尚学)。ともに今夏の甲子園優勝に導いたチームメートと投げ合い、2回を3安打無失点4奪三振。同球場で行われた代表の試合としては、14年11月のトップチームの親善試合時より28人多い史上最多1万7969人が訪れた。存在感を故郷の大観衆にアピールした。
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末吉はライバルとの真剣勝負を心から楽しんだ。初回、新垣有が無失点に抑えた後のマウンドに立つと「負けられない」と、心に火がついた。先頭に左前打を打たれ、犠打で1死二塁。ピンチを背負い迎えた打者は比嘉。変化球で空振り三振。続く宜野座は142キロの真っすぐで空振り三振。高校の1学年先輩たちだった。「先輩たちとはこの1年半、一緒にやってきた。自分のピッチング、集大成を見せられたと思います」。真っ向勝負で手応えをつかんだ。
チームメートの存在が、末吉を成長させた。「有絃は1年秋、九州大会が終わった頃から球速が一気に10キロ上がり急成長。それを目の当たりにして、ヤバいと思ったんです」。1年春からベンチ入りし、秋にはすでに背番号「1」を手にしていた末吉が、ライバルと意識した瞬間だった。
エースとして危機感を抱いた。「練習に取り組む意識が上がりました」。このままじゃダメだ。苦手な長距離走も必死に食らい付き、気になる投球があればすぐにブルペンに入り課題を克服。「負けたくない」という気持ちが、努力を重ねる原動力になった。「有絃には感謝しかないです」。ジャパンのユニホームで、感謝の思いを込めた。
試合が終わると、いつもの笑顔を交わした。末吉が「日本代表を相手に抑えていてよかった」と評価すると、新垣有も「同じチームメートもいて目が慣れている中で抑えられてよかったと思う」とお互いをたたえ、照れくさそうに笑い合った。ライバルからの最大の賛辞を胸に、末吉は世界へ挑む。【保坂淑子】
▽高校日本代表・小倉全由監督(大会前、最終戦を終えて)「まずは守れるな、というのが一番大きいですね。今日は雨でコンディションが悪い中でも、バッティングは対応できていた。心強く思っています」
▽沖縄県高校選抜・比嘉公也監督(先発の末吉について)「真っすぐとスライダー。落ちる系のボールがストライクに入ると相手にとっては厄介だと感じた」

