<全国高校野球選手権:大阪桐蔭3-0光星学院>◇23日◇決勝

 光星学院(青森)の決勝進出は、東北勢10度目の大旗への挑戦だった。1915年に始まった夏の甲子園大会の前身、全国中等学校野球大会の第1回大会で、東北代表の秋田中が準優勝。そこから約1世紀。またも「あと一歩」届かなかった。

 厳しい冬の寒さと雪は今も避けられない障害だ。しかし近年は室内練習場を完備し、近畿や関東から有力選手が入学する学校が増えて東北各県でレベルが上がり、指導者の交流も盛んになった。

 「白河の関」越えのチャンスは21世紀に入って春夏ともに3度。光星学院だけでなく、岩手・花巻東や宮城の仙台育英、東北が決勝に進み、異なる県のチームが頂点に近づいた。

 69年夏に松山商(愛媛)と延長十八回の末に0-0で引き分け、再試合で敗れた三沢(青森)のエースだった太田幸司氏(60)は「東北が強いのは、もう誰もが認めるところ。北海道の駒大苫小牧が連覇したように、一度優勝したら次々出ると思う」と期待した。