<高校野球福岡大会:飯塚4-2福岡第一>◇28日◇決勝◇北九州市民

 飯塚が福岡の頂点に立った。東福岡森雄大投手(3年)、福岡大城東笠原大芽投手(3年)らプロ注目投手が居並ぶ中、継投と粘りの打撃でダークホースが勝ち抜いた。

 飯塚が4年ぶりに激戦福岡135校の頂点に立った。2点リードの9回2死、最後の打者を三ゴロに打ち取るとマウンド上でナインが「ナンバーワン」と叫びながら人差し指を青空へ突き上げた。

 準決勝に続き西俊彦投手(3年)が無失点のロングリリーフだ。5回2死でエース古賀大輝投手(3年)からバトンを受けると「前日より指に引っかかった」と外角へ鋭くキレるカットボールで連続三振を奪うなど4回1/3を1安打に抑え胴上げ投手になった。

 チームは秋も春も目立った成績を残せなかった。夏本番前には吉田幸彦監督(60)が「どん底になった」と嘆くほど投打に不振を極めた。それでも粘り腰で6試合勝ち抜いたのは、このチームから取り入れた「山トレ」のおかげだった。

 福岡大でも指導している山路豊トレーナーが昨年11月から週に1度練習を指導。今までは長距離を走り込んでばかりだった冬場のトレーニングで瞬発系のダッシュを多く取り入れた。左右に何度も往復させるメニューなどで興味を持たせ、楽しく鍛え上げた。

 北野貴昭主将(3年)は「この夏、疲れても体が動いた。1歩目の反応もよくなりました。おもしろい人です」と効果に感謝する。メニューが終わるたびに「ナンバーワン」ポーズをして、自分たちを高め続け、この日、本当に1番になった。

 楽天辛島がいた08年以来4年ぶりの甲子園。辛島の時から使っていた背番号が古くなったため、今大会からリニューアルし2度目の栄冠をつかんだ。前回は記念大会で甲子園練習もできず、なにもわからないまま初戦敗退。吉田監督は「その経験を生かせる。甲子園では足を使って積極的に戦っていきたい」と、聖地でも粘り腰で悲願の1勝を狙う。【石橋隆雄】

 ◆飯塚

 1962年(昭37)創立の私立校。創立時は男子校だったが02年に一部学科が共学になり、翌年全学科が共学に。普通科と介護福祉科、総合学科、自動車専攻科があり生徒数は637人(女子は274人)。野球部は63年創部。甲子園は08年以来夏2回目。部員数85人。駅伝部も全国区。卒業生に楽天辛島航、お笑いタレントのバカリズム。所在地は飯塚市立岩1224。城野裕美校長。◆Vへの足跡◆2回戦9-2嘉穂東3回戦7-6八幡5回戦3-2久留米商準々決勝4-0青豊準決勝5-2福岡大大濠決勝4-2福岡第一