<高校野球山口大会:宇部鴻城6-4山口鴻城>◇28日◇決勝◇西京スタジアム

 宇部鴻城が初出場を決めた。決勝の相手は山口鴻城で、同じ学校法人が運営する「兄弟校対決」。2度リードされながら試合をひっくり返し、1年春から登板する左腕エース笹永弥則(3年)が完投した。序盤に制球を乱し、途中から無走者でもセットポジションで投球。9回2死満塁も切り抜けた。

 転機は、昨年秋の県大会で選抜に出場した早鞆に敗れたことだった。昨夏からのレギュラー5人が残り、勝てるというおごりがあった。笹永は朝5時半に起床してランニング。ナインも山口国体の大会補助員をしたことで日大三(西東京)の打撃練習法を学んだ。

 ノーシードから勝ち上がった背番号1は「挑戦者の気持ちでやれた。甲子園でもまず1勝したい」と晴れやかに話した。

 ◆宇部鴻城

 1956年(昭31)創立。04年から共学となる。普通科、機械科、自動車工学科、医療秘書科があり、生徒数は519人(女子は127人)。野球部は63年創部。甲子園は03年センバツに出場。夏は初出場。陸上部も全国高校駅伝常連。OBに元阪急の小林敦美投手、マラソンの櫛部静二(城西大講師)らがいる。所在地は山口県宇部市際波的場370。戸倉昇校長。◆Vへの足跡◆1回戦8-1萩商工2回戦6-5宇部工3回戦5-4宇部商準々決勝4-3岩国準決勝6-2早鞆決勝6-4山口鴻城