<全国高校野球選手権:浦和学院6-0高崎商>◇11日◇1回戦

 センバツ8強の浦和学院(埼玉)は、佐藤拓也投手(3年)が高崎商(群馬)を7安打完封し、好発進した。

 6点リードでも浦和学院・佐藤は隙を見せなかった。「9回も、まだ7回のつもりで投げました」。ただ無心に。スローカーブとチェンジアップで緩急をつけ、ツーシームで芯を外す。「調子は60点」というコンディションで、高崎商を7安打完封してしまった。

 “あの日”の教訓が佐藤を成長させた。3月30日、センバツ準々決勝。優勝した大阪桐蔭に9回1死までリードしていたが「勝ちを意識してしまって」打たれ、逆転負けした。やり切れない無念さ。だが同時に、日本一を狙える自信もみなぎった。「この悔しさを忘れちゃいけない」。寮の自室に敗退の新聞記事を貼り、埼玉大会開幕前にはDVDを見て、闘志を燃やし続けた。

 打撃でも2安打1打点と、初の夏の聖地で存在感を放った。今日12日は18歳の誕生日。バースデーソング代わりに歌った校歌は気持ち良かった。「現役で迎えられて良かった。春の雪辱を果たして日本一になります」。同校8年ぶりの夏の甲子園勝利。でも佐藤は、あと5勝しないと満足できない。【鎌田良美】