<高校野球広島大会:総合技術5-4呉宮原>◇20日◇準々決勝
まさに“ミラクル総合技術”の再現だ。昨夏県大会準優勝でミラクル旋風を起こした総合技術は、呉宮原との激闘を延長10回、押し出しでサヨナラ勝ち。優勝候補として挑む今大会、実力十分の総合技術が勢いに乗った。
主将の水野智貴(3年)がサヨナラのホームをしっかりと踏んだ。同点で突入した延長10回裏、ミラクルが起きた。この回先頭の水野が四球で出塁。続く絶好調男の東誠士郎(3年)は空振り三振に倒れたが、後藤田司(3年)古田大貴(3年)が意地の連続安打で1死満塁。絶好のチャンスに打席には藤井俊介(3年)が立つ。
カウント0-3。「俊介の選球眼を信じていた」と水野。呉宮原の先発山本隆の投じた159球目は際どく外れた。ホームの感触は「超気持ちよかった」(水野)。試合中につった両足でゆっくりと味わった。
ミラクルの予兆はあった。大会屈指の左腕・内大和(3年)がまさかの1回1/3を4失点で降板。「2、3イニング持ってくれれば」(小田監督)と送り出した2番手田中瑞樹(2年)が5イニング以上を無失点の好投で流れを呼び込む。そして10回表だ。失策、安打、四球で1死満塁と絶体絶命のピンチに。ここで山本隆は痛恨のスクイズ失敗…。サインを見逃した三走のスタートが遅れた分、本塁封殺で切り抜けられた。
「厳しい展開は分かっていた。紙一重の差です」と小田監督。準優勝を飾った昨夏、贈られたメダルは首を通していない。喜びに浸る周囲をよそに、チームは悔しさにどっぷりと漬かった。そして甲子園出場を誓った再出発の秋は優勝。たゆまぬ努力を続ける総合技術に、“紙一重の差”のミラクルは何度でも訪れる。【佐藤貴洋】


