<高校野球青森大会>◇18日◇4回戦

 青森東が延長10回の熱戦の末に3-2で五所川原を下し、37年ぶりのベスト8進出を決めた。連投のエース沼田英樹(3年)が8安打10奪三振2失点の力投。自らの犠飛などで挙げた3点を守った。県内有数の進学校が快進撃。今度は37年前のベスト4以上を目指す。

 沼田が気迫で投げ抜いた。6、7回に1点ずつ失ったが、8回以降は無安打零封。延長10回表に味方が押し出しで1点勝ち越すと、その裏をしっかり3人で抑えゲームセット。大黒柱の沼田を中心に、青森東ナインの笑顔が広がった。

 投球数は152。前日(17日)の3回戦、弘前実戦は8-6と激戦を制したが、沼田は9回139球を投げ、8安打6失点(自責は4)だった。2日間で291球。だが沼田は涼しい顔で「バックがよく守ってくれ、落ち着いて投げることができた。ベスト8はうれしい」と話した。

 進学校のエースでも、体力は人並み以上だ。この冬は練習が終わると、毎日学校からJR青森駅まで約10キロを、雪の日でも休まず走った。津軽海峡線に乗り、外ケ浜町蟹田の自宅に帰宅するのは午後9時すぎになる。夕食の後、勉強に打ち込む。「下半身とスタミナの強化ができた。連投でも大丈夫」と頼もしい。

 チームの攻撃は走塁ミスなどでチャンスをつぶした。「みんな浮ついていた。もう1回締め直す。今日は沼田に尽きる」と米田智監督(41)はねぎらう。青森東は92年秋に準優勝で東北大会出場があるが、夏は37年ぶりの8強入り。その時は準決勝まで進出した。次の相手はV7を目指す青森山田だが、米田監督は「持てる力を全部出して戦う」と言う。

 沼田は「チームの勢いと自分の投球で、私立校を倒す」と宣言。決勝まで勝ち続ける決意だ。【北村宏平】