<高校野球佐賀大会>◇22日◇準々決勝

 佐賀商が、真夏の珍記録的な圧勝で4強に進んだ。試合時間ジャスト1時間で厳木(きゅうらぎ)に10-0の5回コールド勝ち。打線は13安打、2投手が5回を“準完全”と一方的な展開で強さを見せつけた。

 エース左腕の太田直嗣(3年)が、完ぺきな投球を演じた。内外角低めにストレートが決まり、カーブでバットに空を切らす。4回を41球で1人の走者も許さず、5三振。打線が4回裏に10点目を奪い、5回参考ながら完全試合達成か…と思いきや、マウンドには田中豊樹左翼手(2年)が向かった。先頭打者を三振も、振り逃げで初の走者。しかし、最後の打者を併殺に仕留め、無安打残塁0の“準完全”で締めくくった。

 「これから厳しい試合になってくる。太田だけに負担をかけないよう、他の投手にも経験させないといけない」と、秀坂常紀監督(42)は残る2試合を見据えた。中学2年秋の県大会で完全試合→ノーヒットノーラン(6回参考)の実績を持つ太田も「変に記録を作ったら、次の試合に影響するかもしれない。記録はいいです」と笑って言った。【実藤健一】