中日が新外国人ソイロ・アルモンテ外野手(28)の猛打爆発で激戦を制した。両軍24安打の乱打戦となった阪神戦(京セラドーム大阪)で先制打、逆転打を含む4安打4打点で打線の9得点をけん引。“あごヒゲのスイッチ砲”が、今季初のカード勝ち越しをもたらした。巨人に移籍したゲレーロに代わる新3番は、同僚平田と並ぶリーグ最多の13安打で打率3割4分2厘と絶好調。竜の逆襲をけん引する。

 またも新外国人の孝行息子が、チームを救った。4日の巨人戦では新外国人のガルシアが6回2安打1失点の好投を見せ、開幕4連敗を止めた。この日は立派なあごヒゲを蓄えた野手のアルモンテが大活躍だ。スイッチ大砲が右打席で先制適時打を含む3安打。左打席でも8回に逆転の2点適時打を放つなど、4安打4打点と大暴れした。13安打9得点を導き、今季初のカード勝ち越しと、阪神戦では昨年6月末以来となる勝ち越しをけん引した。

 「チャンスに(打席を)回してくれるので、いい結果が出ている。とにかく自分の打てる球を待って、前に飛ばすことを考えている。打って勝てて、とてもうれしい」。特徴的なヒゲから白い歯を見せた。マイナーも含めて14年まで在籍したヤンキースは身だしなみに厳しく、あごヒゲを伸ばせなかった。だが昨年のメキシカンリーグ時に生やし始め、打撃が上向いたことから「幸運のヒゲ」として伸ばし続けている。来日前には森監督にわざわざ「維持」の了承を取り付けたシンボルだ。

 開幕以来、9試合で38打数13安打7打点で打率3割4分2厘と成績を伸ばした。安打数13は同僚平田と並んでトップだが、四球数が0のため、打率部門6位に甘んじている。「四球がないので自分でもびっくりしている。いつもなら、もっと四球を選んでいるんだけど」と、首をかしげる。昨日までは左投手に2割5分、右投手に2割8分と右打席での結果が振るわなかったが、この日で左打席3割8厘、右打席で4割超えとバランスも取れた。

 だがアルモンテさまさま、と聞かれた森監督は苦笑い。「マテオさまさまだろ。打ったことより、1イニングで4点も5点も取られる方を考えていかないといけない」と、4点リードを守れなかった又吉への注文を忘れなかった。

 「チーム一丸で勝っている。CSに行けるように頑張るよ」と、新外国人の孝行息子はニヤリ。“あごヒゲのスイッチ砲”が逆襲を導く。【伊東大介】

 ◆ソイロ・アルモンテ 1989年6月10日、ドミニカ共和国生まれ。05年にヤンキースと契約し、13年にメジャーデビュー。15年はブレーブス傘下に所属し、16年はメキシカンリーグでプレーした。メジャー通算47試合に出場し、打率2割1分1厘、2本塁打をマーク。183センチ、98キロ。右投げ両打ち。家族は夫人と3子。