最後はソフトバンクの強力打線に屈した。敗戦を見届けた日本ハム栗山監督は、帽子を取って深々と一礼した。「去年より悔しくてしょうがない。監督の責任。申し訳ない」。リーグ5位で終わった17年よりも、頂点に少しだけ近づいた分、悔いは残った。

手は打ったが、勝利をもぎ取れなかった。先発を託した杉浦は初回に明石、4回にデスパイネに1発を浴びた。「力のある直球でねじ伏せて欲しい」と、抜てきも4回途中で降板。杉浦の後を受けた井口も松田宣にアーチを打たれ、6回に登板した4番手のトンキンも2発を浴びた。全てがソロ本塁打で5失点。力負けだった。

攻撃でも仕掛けが実らなかった。4回1死一塁で4番中田がフルカウントに持ち込むと、一塁走者の近藤にスタートを切らせた。ランエンドヒットで併殺だけは避けようとした。ただ、中田の打球は遊撃正面の痛烈なゴロ。思惑は外れ、併殺。5回無死一、二塁では鶴岡が送りバントを失敗。2度、繰り出したリクエストも失敗と、指揮官の手で流れを引き寄せることは出来なかった。

来季も続投する。今季は大谷、増井、大野ら主力が抜けながら、低い下馬評を覆してCSまで進出した。それでも栗山監督は「やらなければいけないことが山ほどある。足りないものばっかりだ。全てだ。全ての要素が足りない。オレ自身の能力も含めて、もう1回考えていきます」と、一気に吐き出した。全てを見つめ直し、来季へ向けて新たなスタートを切る。【木下大輔】