<パCSファイナルステージ:西武2-8ソフトバンク>◇第4戦◇20日◇メットライフドーム

甲子園優勝投手の投げ合いは、ソフトバンク東浜(沖縄尚学)に軍配が上がった。高卒2年目の西武今井(作新学院)は“先輩”の姿から刺激を受けた。

「東浜さんみたいに、変化球がいいところで決まらないと勝てない。あのボールを投げられるようにならないと、勝ちきれない」

1回はどちらも2死をとってから走者を許したが、結末は大きく違った。今井は、グラシアルにカウント0-1から変化球が4連続ボールで四球。続く柳田に、高め直球145キロを豪快に左翼席に運ばれた。一方、東浜は浅村に中前打を許したが、4番山川を外角低めの138キロカットボールで空振り三振に仕留めた。

今井はセットポジションでのフォームが定まらず、体の開きが早くなって直球の威力が落ちた。2回も2死からセーフティーバントで走者を出し「走者が気になって、外角に要求されていた直球がシュート回転して真ん中に入ってしまった」と、9番甲斐に2ランを浴びた。

4回2/3を被安打6の4失点で降板。「先発として最低限の仕事もできなかった。努力不足です」と振り返った。ただ辻監督は「まだ20歳。経験して、来年から大きくなってくれれば」と成長を促した。今季レギュラーシーズン15試合に登板し、初勝利を含む5勝5敗。プロとして飛躍の1年となった。未来のエース候補は「これからにとっては貴重な体験になった。もっと本番に強くなりたい」と悔しさを糧にする。【保坂恭子】