西武ドラフト4位の東日本国際大(南東北)粟津凱士投手(21=山本学園)が27日、福島・いわき市内のホテルで契約金4000万円、年俸1000万円(金額は推定)で契約合意した。即戦力の期待を背負う最速145キロ右腕は、同大だけでなく母校・山本学園(山形)にとっても「プロ第1号」。「初に恥じない選手になりたい。応援してくださった方々の印象にも、記憶にも残る投手になる」と闘志を燃やした。

高校時代のライバルと同じ土俵に立つ。14年に山形中央からドラフト4位で日本ハム入りした石川直也投手(22)は、高校2年の冬に県選抜入りした仲。ドラフト前は「かかるといいね」、ドラフト後は「やったじゃん」とLINE(ライン)をもらい、会食の約束もしている。フォークが持ち味の石川に対し、シンカーを武器にする粟津は「タイプは違いますが、いいライバルとして自分も刺激を与えられる存在になりたい。負けたくない」と背中を追う。

入団交渉の場には東日本国際大・仁藤雅之監督(38)と山本学園・志藤達哉監督(56)の恩師2人も駆け付け、愛弟子の晴れ姿に目を細めた。志藤監督は「今までプロになれる基準がなかったが、子供たちの励みになる」。仁藤監督は「目指すものが現実になり、後輩たちの意識も変わった。より高い目標になってほしい」とエールを送った。【佐々木雄高】