ルーキーが大仕事をやってのけた。オリックス・ドラフト7位の中川圭太内野手(23)がプロ初スタメンとなる「7番三塁」で出場。1点を追う9回1死三塁の場面でソフトバンクの守護神森から値千金の一打を放った。追い込まれてからもしぶとくファウルで粘り、フルカウントでの10球目。外角低めのスライダーにくらいつき、右翼線を破る同点適時三塁打で逆転勝利をたぐり寄せた。

「チャンスで回ってきたので、なんとしてでも振り出しに戻そうと思った。必死にくらいついた結果が打点につながって、よかった」

2軍公式戦に22試合出場で打率2割9分3厘、2本塁打、17打点と奮闘し、20日に1軍昇格。昇格後の試合は代打で2度出場し、凡退していたが、西村監督は「結果は出てなかったんですけど、頭から使ってみようと思った。最高の結果を出してくれた。足もあるし、すごく楽しみな選手ですね」と絶賛した。

先輩の言葉がルーキーの背中を押した。「試合前に(後藤)駿太さんから『忘れられない1日にしろよ』と言われ、いい精神状態で試合に入れた」。結果的に西村監督通算200勝につなげる一打となり、「自分自身でも忘れられない1日になりました」とお立ち台で胸を張った。3回先頭の第1打席ではプロ初安打。記念球については「お母さんにあげたいです」と親孝行ぶりをみせた。

“最後のPL戦士”に注目が集まるが、「PLの先輩でもまだプロを目指している人もいるので、自分は最後だと思っていない。OBの皆さんが応援してくださっている中で野球ができているので、まだまだ頑張っていかないといけないです」と話した。新人の奮闘でチームの連敗も「3」でストップし、最下位を脱出。新戦力が一躍救世主となった。【古財稜明】