ベテラン勢の活躍で、ソフトバンクが4連勝を飾った。1点リードの6回2死、37歳の内川聖一内野手が左翼線へ二塁打を放ち、36歳松田宣の中越え適時二塁打につなげた。内川は8回にも中前安打を放って通算2158安打とし、秋山幸二氏、広瀬叔功氏を抜き、野村克也氏、門田博光氏に次ぐ球団歴代3位となった。内川は「よっしゃ! 」と喜んだ。

「2本の安打よりも(中田)賢一を勝たせてあげたかった」。内川を燃え上がらせたのは、今季チーム125試合目で今季初登板初先発の同学年の中田だった。勝利投手の権利まであと1死だった5回2死一、二塁から藤田に同点打を許し、降板。その直後の浅村の一塁への強いゴロを内川は好捕し、楽天の勝ち越しを阻止した。工藤監督は「守りの集中力がいい。元気はつらつという状態」とほめ、中田も「(内川の)強い思いは感じました」と感謝した。

決勝弾を放った高谷も同じ思いだった。今年11月で38歳になる野手最年長は、5回に今季1号ソロを右翼席へ。「本塁打は奇跡。(中田は)直球にも力があったし、5回までは何とかしてあげたかった。正直申し訳ないし、悔しい」と中田に勝ちをつけられなかったことを悔やんだ。

内川はお立ち台に立つ高谷の勇姿を、自分のスマートフォンで撮影。高谷モデルのバットを使うなど、お互いを高め合っている。混戦が続く終盤戦でのベテラン勢の頑張りに、高谷は「お互い競い合ってチーム力を高めていければいい」と話した。正捕手・甲斐の陰で出番がなくとも準備をし続けた高谷、なかなか1軍に呼ばれなくてもウエスタン・リーグで4人しかいない規定投球回を投げ抜いた中田、レギュラーとして出場を続ける内川。ベテランの活躍でチームは4連勝。2位西武の3連勝でこの日も優勝マジックはお預けとなったが、経験豊富なベテランたちが元気なのは頼もしい。【石橋隆雄】

▽広瀬叔功氏(南海OBで通算2157安打)「内川だったらワシの安打数くらい抜くよ。同じ右打者やし、これからもどんどん数字を伸ばしてもらいたいわな」

▽ソフトバンク王球団会長(楽天に3連勝し)「チームがそんなに調子よくない中で、3連勝は大きいよね。明日は千賀だし、千賀にも立ち直ってもらいたいからね。あと18試合がんばりましょう」