やられっぱなしじゃ、いられない。巨人岡本和真内野手(23)が“三重苦”払拭(ふっしょく)でチームをリーグ優勝へ加速させる。10日から4ゲーム差の2位DeNAと勝負の3連戦を迎える。初戦に立ちはだかるのがエース今永。対戦打率1割の“天敵”に加え“苦手左腕”“苦手敵地”が並ぶが、4番のプライドにかけて負のデータを吹き飛ばす。初戦に勝利すればマジック「9」、引き分けなら「10」が点灯する。

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照準を定めた。岡本が、打ち砕く敵をはっきりと意識した。「DeNAをたたけば…というとおかしいですけど、2位のチームに勝てば(リーグ優勝が)グッと近づく。しっかり勝ちたいです」。8月2日からの敵地3連戦では3連敗し、0・5ゲーム差まで詰め寄られた。現在4ゲーム差だが、直接対決が6試合残る。最終盤で嵐を起こさないために目の前の1勝に全力を注ぐ。

ただ、道のりは平らではない。“三重苦”が立ちはだかる。

◆天敵 初戦に先発予定のDeNAのエース左腕今永とは今季11度対戦。10打数1安打、0打点5三振と苦手とする。「何回もやられるわけにはいかないんでね。次はやっつけたいと思います」。

◆苦手左腕 左腕相手に打率2割2分3厘、5本塁打30打点。100打席以上差はあるが、右腕相手の打率2割8分6厘、21本塁打、49打点と比べて分が悪い。広島ジョンソンに打率6分7厘、中日大野雄に打率1割と天敵も左腕に多い。

◆苦手敵地 横浜スタジアムでは25打数4安打、打率1割6分でセ・リーグ敵地では打率ワースト。今季DeNAとの残り6戦中5戦が同球場。

一方で、チーム単位では対今永の好数字が並ぶ。今季は4度対戦。ここ2戦は連敗も、セでは今永に対しともに最多の2勝、計10得点を挙げている。2番坂本勇は打率3割3分3厘、1本塁打2打点、3番丸は打率3割6分4厘、2本塁打4打点と好相性。4番が「天敵」を捉えれば打線はさらに活性化する。

残り16試合。初体験の優勝争いのど真ん中にいても「変にガチガチもないですし、すごく楽しいです」と言い切る。「とにかく勝てばいい。自分の結果よりも、チームが勝つことを第一にやっていきたいです」。Vロードのゴールを目がけて、4番岡本が歓喜のアーチを描く。【桑原幹久】