ソフトバンクが決死ローテ第1弾に成功し、逆転優勝に望みをつないだ。

プロ初の中4日先発となった高橋礼が、涼しい顔で0を並べ続けた。2安打を許した3回をのぞき、6イニングを無安打。7回をあっさり3者凡退に斬るとこの日の役目を終えた。「(初回に)3点取ってもらって、すごくいいリズムで投げられた。すべてが良かった」。大量8点の打線の援護を受け、7回無失点で自身12勝目を挙げた。

千賀との“ダブルエース”とし、初の中4日先発で負けられない一戦を託された。前回登板の18日楽天戦から休みは取らず、ブルペンも従来の登板3日前から2日前に変更。球数を減らし、フォームの確認程度に済ませた。この期間、王球団会長から金言をもらった。ヤフオクドームでの練習中に呼び出され、1対1で話した。「変化球に頼ったり、フォームが小さくなっている。バッターは向かってくるボールが一番嫌なんだ」。持ち味は直球で押すスタイルと再確認できた。

そして、その直球を生かすために2つの武器を磨いてきた。1つはスローカーブ。「逆方向への回転をかけることを意識」することで、昨年より平均スピードが落ち、100キロを下回ることも珍しくなくなった。さらに「カウント球はスピードが出るように、見せ球は遅く」と緩急の中に小さな緩急も忍ばせている。

もうひとつ、身につけた大きな武器がシンカー。もともと持ち球だったが、昨年や開幕当初より投げる頻度が増えた。「今までは右打者に対して、逃げるボールしかなかった。特に、西武の山川さんらは踏み込んでくる。内を意識させないと、抑えられない」。前半戦で痛い目にあわされた右の強打者を抑えるために、持てる武器の中で戦い方の幅を広げていった。この日もしっかりと攻め込むスタイルをみせ、抑え込んだ。

西武の優勝マジックは2となったが、1ゲーム差をキープした。24日はエース千賀が中4日で先発する。黒星を喫した場合、ライバルにリーグ2連覇を許す可能性がある。必勝の一戦に決死ローテ第2弾で臨む。【山本大地】