プロ13年間で無冠だった巨人山口が「3冠」をつかみとった。5回、ヤクルト広岡をフォークで空振り三振。今季186個目の三振でリーグトップのDeNA今永に並ぶと、2死から浜田を再びフォークで仕留め、シーズン奪三振数で単独トップに躍り出た。

8回途中、1安打7奪三振1失点で勝敗はつかなかったが、最多勝、最高勝率に加え、188個で最多奪三振のタイトルも決定的とした。「今日は少し意識した中でマウンドに上がって、その中でとれたのでよかった」と充実感をにじませた。

意識せざるを得ない状況で「平常心」を心がけた。試合前練習中にはスタッフのスマートフォンでデーゲームのDeNA-阪神戦をチェック。試合前時点で2個差の2位今永が7三振を奪ったことを確認した。それでも「今までのいい感じのものが全てぐちゃぐちゃになるのが怖い」と宮本投手総合コーチへ告げ、普段通り力感なく腕を振った。

7回まで無安打に抑え、2年連続のノーヒットノーランもちらついた。宮本コーチから「とにかく狙ってこい!」と背中を押されたが、8回先頭広岡に初安打を許すと、すぐに目標を切り替えた。「まだCSが続いていく。シーズンの最後に、いい形で投げれました」。どんなタイトルよりも欲する、日本一をつかみとる。【桑原幹久】