中日からドラフト1位指名を受けた東邦・石川昂弥(たかや)内野手(18)が27日、地元テレビ局の生放送でOB立浪和義氏(50=野球評論家)と初対面した。

本番では「オーラが違う。格好いい」と緊張しっぱなし。PL学園で甲子園春夏連覇した同氏は87年ドラフト1位で中日入りして遊撃のレギュラーをつかみ、新人王とゴールデングラブ賞を受賞。通算2480安打で、二塁打は日本記録の487本を放った。石川は「それだけの結果を残された人。自分もそこを目標にしたい」と竜の大先輩をまぶしげに見つめた。

レジェンドも石川を絶賛した。今秋U18W杯での石川の打撃は映像でチェック済みだった。「好青年だし、体つきが素晴らしい。将来、中日の4番になれる。遠く飛ばすだけの新人は見てきたが、体からバットが離れない。体の近くの球を芯に当てるのは難しいが、さばけている」。木製バットで臨んだ日本代表戦での本塁打を絶賛した。

東邦・森田監督らは広島鈴木のフォームに似ていると語っているが、立浪氏の指摘は違った。「鈴木より柔らかい。鈴木はまだパチっと(球に)合わせるが、(石川は)バットに乗せて逆方向に打てる」。侍ジャパンの主砲を上回る素質を持つと褒めあげた。

中日一筋の野手で名球会入りしたのは、元監督の高木守道氏、立浪氏、荒木2軍守備走塁コーチの高卒入団の3人だけ。「名球会? 入れたらうれしいです」。ミスタードラゴンズの言葉に18歳の背中は大きく押された。【伊東大介】