ヤクルトのドラフト1位・奥川恭伸投手(18=星稜)が12日、埼玉のヤクルト戸田球場で遠投に取り組み、池山隆寛2軍監督(54)が絶賛する球筋を披露した。

最初はドラフト4位の大西広樹投手(22=大商大)相手に遠投していたが、距離は50メートルまで。その後、大学生はブルペンに入ったため、奥川はスタッフを相手に遠投を再開。70メートルまで伸ばして力を込めた伸びのあるボールを投げると、さらに自分の判断で10メートル伸ばして80メートルに設定し、糸を引く見事な球筋を見せた。

奥川は「体を大きく使い、力を抜いて伸びのあるボールを投げようとしました。70メートルを投げてみてもう少し投げられそうだったので伸ばしました」とプロ入り後初の遠投を無事に終えて満足そう。

遠投の狙いについては「タイミングとバランスを意識しています。タイミングがずれるとフォームがばらつきます。右足で立った時の姿勢が大事になると思います」と滑らかに説明した。

衣笠球団社長、小川GMら球団幹部に加え、池山2軍監督も視察に訪れていた。「マー君をほうふつとさせる。これから、山あり谷ありのプロ生活が始まる。なんとか山も、谷も乗り越えて先に進んでほしい」と言い、メジャーリーガーの田中将大投手を引き合いに出すほどの高評価だった。

奥川は今後の予定についても見通しに触れ「自主トレの終わりころにはブルペンに入りたいです。傾斜を使って投げたいです」と言った。遠投までは順調に調整は進んでいる。

80メートルの遠投を、ライナー性のボールで投げ抜く素質に、スタッフからも驚嘆の声が続出。ポテンシャルの高さを見せつける初遠投となった。