戦いのゴングが鳴った。広島田中広輔内野手(30)と小園海斗内野手(19)が5日、今キャンプ初のシート打撃で互いに持ち味を発揮した。

交互に遊撃を守り、打席に立った。後輩小園がファンブルで失策すると、先輩田中広は二遊間への打球に飛び込み好捕。小園も負けじとバットで取り返す。塹江の真っすぐ高めを振り抜き、豪快に右翼席へ放り込んだ。田中広も高橋樹の低めの球にうまくバットを合わせて中前に運ぶ巧打。初の実戦形式から互いに持ち味を存分に発揮した。

昨季58試合出場した小園だが、ポジション争いでは挑戦者。「ショートのレギュラーを絶対取りたいと思ってやっている。チャンスは少ないですけど、積極的なプレーをできるように。今日みたいなプレー(失策)をなくしていけるようにしたい」。若さを前面に押し出しながらアピールを続けていくしかない。

先輩田中広は全快をアピールした。昨年8月の右膝手術をへて、今キャンプでは初日から全メニューを消化。「今のところ思ったよりも動けている」と、守備だけでなく、低めの球を拾った打撃でも状態の良さを示した。1番打者としてリーグ3連覇に貢献した実績で後輩の挑戦を受けて立つ。

今キャンプ、初日から投内連係やカットオフを含め守備練習では田中広と小園の2人しか遊撃に就いていない。佐々岡監督は「2人でショート争いをしてもらいたい」と競争意識を刺激する。戦いのゴングはまだ鳴ったばかりだ。【前原淳】