慶大の最速155キロ右腕、木沢尚文投手(3年=慶応)が先発し、6回4安打1失点に抑えた。

最速150キロだった直球を内角にも突っ込み、8奪三振。社会人相手に、ドラフト上位候補の評価に違わぬ投球だった。

それでも、試合後は失点した場面について、反省の言葉を並べた。「5回は変化球が手詰まりになって、自分で首を絞めてしまいました」。ホンダの先頭檜村を追い込みながら、右前打で出塁された。続く藤野には死球を与え、さらに布袋にも連続死球で塁を埋める。ここで中村将に左前適時打を許した。

悔いたのは、布袋との対戦だ。直球を2つ続け、見逃し、ファウルと簡単に追い込んだが「追い込んでから欲が出ました。三振を狙いにいってしまいました。当てられてもいいと考えれば良かったです」。スプリット、カットボールをファウルでしのがれ、フルカウントからの10球目、直球が抜けて、ぶつけた。

直球については「悪くなかったです。ただ、いい時に抑えるのは当たり前。悪い時に、どう抑えるかです」と話した。「変化球がアバウトになってしまいました。技術不足、配球ミスです」と口元を引き締めた。

新型コロナウイルス感染防止のため、部を通じてのコメントだったが、成長への意志が伝わる内容だった。

9球団のスカウトが視察した。DeNA吉田孝司顧問兼球団代表補佐は「楽しみ。いい体をしているし、フォームもいい。インサイドにも放れる。直球は、もっと良くなる」と期待を込めて評価した。【古川真弥】