日本野球機構(NPB)は、阪神藤浪らの新型コロナウイルス感染にも、現状では変わらず4月24日の開幕を目指す。27日、井原事務局長は「今は24日開幕を目指す。完全にこだわっているわけではない。準備をするには日程が必要で、12球団が準備を進めている。陽性をきっかけに、考え直すことは現時点では考えてない」と強調した。

臨時のセ・リーグ理事会を開催したが、球界初の感染事例と関係なく、五輪延期による日程再編や入場規制の協議のためだった。一方で、冒頭から阪神からの報告が続いた。当初、専門家からの提言では感染者が出てもチームはすぐ活動停止にならないとしていたが、1人を想定した側面が強かった。阪神は複数の感染者発生に備え、即時1週間の活動休止を決定した。今後の指針となるかどうかについて、DeNA三原球団代表は「あくまでもファーストケース。複数の対象者がいて、シーズンスタート前の期間で起きたこと。始まった後は別物で考えないといけない」と他ケースでの即停止には慎重だった。

予断は許さない。緊急事態宣言発令の危機が日に日に高まり、阪神谷本球団副社長は「いろんなシミュレーションはした」と5月にずれ込む場合にも備えていることを示唆した。「我々のせいで、とならないように知見をため、乗り越えたい」。最短開幕を迎えられるかは不透明だ。

▽巨人星総務本部長(開幕日程に) 藤浪選手たちの話と完全に切り離せないですが、1都4県の知事さんの認識とか、感染拡大の状況とかを見ながら、きちんと決めていこうと、それは一致したということです。

▽中日加藤球団代表(4月24日開幕に) 決定事項はない。世間の動向を注視していかないといけない。

○…密集を避けるための入場制限への対応に各球団の苦悩が続いている。入場者を50%以下に抑えることが望ましいとも言われる中で、年間シートの取り扱いも難しい。一律の数値化にDeNA三原球団代表は「球団によって構造的にもチケットの売り方も全て違う。統一するのは不可能。方向性を統一して各球団で努力していく形になる」と話した。