NTT東日本(東京都)が、3年ぶりの優勝へ好発進した。5回まで3安打1得点と攻めあぐねていたが、6回に一挙4得点を挙げ、底力を見せつけた。

今大会から4番に座る、1年目の火ノ浦明正外野手(23=専修大)が期待に応え躍動した。4回、2死二塁からカーブを捉え先制の中前適時打。6回にも1死一、三塁から一塁適時内野安打で3点目をたたき出した。予選では2番で起用されていたが、打撃の好調を買われオープン戦から4番に。「4番というか、重いものは背負わずに、3番に下川さん、5番に笹川さんといい先輩たちがいる。自分はただ4番目という感じで気楽に立つことができました」と、大舞台で勝負強さを存分に発揮した。

飯塚智広監督(45)は「今までは、投手の配球に対してもろさがあった。今日はしっかり対応ができていた。それは最近の成長かと思います」と目を細めた。

昨秋はプロ志望届を提出するも指名漏れ。「NTT東日本に拾ってもらった。会社のためにやると決めていた。今はその気持ちが強いです」。バットで会社へ恩返しをする。火ノ浦は、熱い気持ちでこの大会に挑んでいる。【保坂淑子】