7年ぶりの8強入りを狙ったヤマハ(浜松市)は投打ともに精彩を欠き、NTT東日本(東京都)に7回コールド負けを喫した。投手陣は序盤から相手打線につかまり、11安打11失点。1回戦で15安打9得点を挙げた打線は、6回に4番前野幹博外野手(25)のソロ本塁打で1点を返すのが精いっぱいだった。

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ヤマハの完敗だった。初回、永和商事ウイング(三重)からの補強選手で先発の高橋康平投手(31)が、4安打3失点。相手に流れを渡すと、4回には3番手・大野健介投手(31)が相手4番打者に3ランを浴びるなど5失点し、試合の行方が決まった。

好調な打線も、相手の先発左腕を打ち崩せなかった。3回に1死満塁の好機をつくったが、3番矢幡勇人主将(30)、4番前野が凡退して無得点。室田信正監督(46)は「点を取れるところで取れなかったことが、今回のような展開を招いてしまった。相手の内角攻めが思っていた以上に多く、その見極めをもう少し徹底できていたらなと思う」と唇をかみしめた。

それでも、チーム内では今大会で2試合に先発起用され、3安打1本塁打と結果を残した笠松悠哉内野手(25)など、20歳代の選手たちが台頭してきた。指揮官も若手の活躍に手応えを得ており「チームの活性化につながるので、もっと出てきてほしい」と期待した。6回に右越え弾で一矢を報いた前野は「自分たち若い世代がレベルアップしてチームを底上げし、またこの舞台に帰ってきたい」と力を込めた。

チームはこの日の敗戦を糧にし、来季の巻き返しに向けて再び歩き出す。