フリーエージェント(FA)宣言した7選手の交渉状況など。(推定年俸ランク=A、Bは要補償、契約条件などの金額は推定、随時更新)


FA選手獲得時の旧球団への補償
FA選手獲得時の旧球団への補償

小川泰弘投手(ヤクルト=年俸ランクB)

◆12月4日、神宮外苑での自主トレ後、球団幹部と約30分間にわたって話し合い、FA権を行使する意思を直接伝えた模様。球団を通じ「残留するにしても、しないにしても、納得して来年以降の野球人生につなげたい。思いっきり野球をするために、今しっかり悩むことが1つの財産になると思います。よろしくお願いします」とコメントを発表。球団は残留に向け、今季の推定年俸9000万円から大幅増となる4年総額7・5億円規模の大型契約を提示していたとみられる。宣言したことで条件面は一度白紙になるが、交渉は継続する。宣言残留も容認しており、小川淳司GMは「とにかく残留してくれるのが一番。それに対して球団は全力で引き留めにかかったので、あとは本人次第。球団としては待つだけです」

◆12月5日、日本ハムが獲得に乗り出すことが分かった。23年の新球場開業を見据えて、小川には3年以上の複数年契約を提示するとみられる

◆12月15日、ヤクルトと約20分間の残留交渉。球団は提示している4年総額7・5億円規模の条件のうち、出来高部分を詳細に明示。加えて10日以内の結論を求めた。同席した球団幹部は「クリスマス無事に過ごしたいなとは伝えた。期限じゃないけど、編成としても動かないといけないから。もし抜けるなら。もちろん抜けないことを前提に話しているが、なるべく早く返事はほしいと」。あらためて条件を確認した小川は「持ち帰ります」と応じたという

◆12月18日、ヤクルトと都内で2度目の残留交渉。約30分間、代理人と小川本人が出席した。前回15日の交渉では、球団が提示している4年総額7・5億円規模の条件のうち、出来高部分を明示。この日は、出来高の詳細を詰めた。同席した球団幹部は「今日は、条件について細かいところまで話した。ちょっと進んだかなというだけ」と話した。小川は「まだはっきり決まってない」と話し、決めかねているという。次回交渉日は未定だが、同幹部は「年内には、何らかの答えは出てくるんじゃないか」との見通しを示した

◆12月23日、ヤクルトと3度目の残留交渉を行った。初回、2回目と同じく小川と代理人が出席。同席した球団幹部は「今日の段階ではまだ、残りますよとか、よそに行きますという答えは出ていない」と明かした。球団の方針として、提示済みの4年総額7・5億円規模の条件は変えていないという。「穏便に、いい話し合いはしているんだけど、最終決断までいかない」。年内の球団業務は25日に終了するため、あらためて同日までの返答を求めたが、越年する可能性も残っている

◆12月25日、ヤクルトが契約合意を発表し残留が決定


沢村拓一投手(ロッテ=年俸ランクA)

◆11月30日、海外FA権行使の申請書類を球団に提出。「日米42球団と交渉が可能になりましたので、アメリカへの移籍、ロッテに残る、国内への移籍、全て考えられる中で、自分のことを一番必要としてくれる球団で腕を振っていきたい気持ちです」

◆12月9日、ロッテが残留した場合、背番号「14」を打診していることを明らかに

◆12月17日、代理人のジョン・ボッグス氏が取材対応。「まだオファーはない。だいたい6球団から調査を受けている。スタートとしてはいい数だ」と明かした


松永昂大投手(ロッテ=年俸ランクB)

◆12月3日、国内FA権の申請書類を球団に提出。「権利を得たということで、他チームの評価を聞きたいのが一番です。残留するにしても移籍をすることになったとしても、FAをすることで新しい経験ができると思う」


井納翔一投手(DeNA=年俸ランクC)

◆11月27日、今季取得した国内FA権を行使すると発表。「FAに関する書類を球団に提出させていただきました。三原球団代表が宣言残留を許可していただいた。まだ球団を出るという決断とかは関係なく、使わせていただきたいというところです」。今後については「声をかけていただければ、そこの球団としっかり話をさせていただければと思います」

◆12月6日 ヤクルト、巨人の順で初交渉。ヤクルトは都内のホテルで交渉。ファン感謝デーのイベント終了後の午後5時40分ころから、小川GM、伊東強化部長がそろって出席した。2年総額2億円規模の条件を提示し、背番号はDeNAで背負う「15」を用意。熱意を伝えた。交渉は約30分で終了。小川がFA宣言しており、投手陣の再建を目指す小川GMは「うちの投手陣の中で、井納君の力がぜひ必要だということで、とにかく力になってほしいということを伝えた」と話した。一方の巨人も都内ホテルで大塚副代表が約1時間、初交渉に臨んだ。セ・リーグ3連覇と日本一奪還に向け、先発でも中継ぎでもフル回転できる右腕の必要性を訴え、2年総額2億円規模と背番号「21」を提示した模様

◆12月12日、巨人に入団の意思伝える

◆12月14日、巨人入団会見

巨人の入団会見で原監督(中央)と笑顔を見せる背番号「21」の井納(左)と背番号「13」梶谷(撮影・たえ見朱実)
巨人の入団会見で原監督(中央)と笑顔を見せる背番号「21」の井納(左)と背番号「13」梶谷(撮影・たえ見朱実)

梶谷隆幸外野手(DeNA=年俸ランクB)

◆11月27日、今季取得した国内FA権を行使すると発表。「今日の午前中にFAの書類を球団の方に提出いたしました。宣言しての残留を球団が認めてくださっているので、その中で他球団の評価も聞きたいなということで、宣言をしました」と話した。今後は「残るか出るかで2択になると思うんですけど、自分の中で、より成長できるというか、悔いない決断ということのみかなと思っています」

◆12月7日、約1時間、都内ホテルで巨人と初交渉

◆12月11日、DeNAに退団を申し入れ巨人へ入団意思伝える。4年総額8億円規模の契約と背番号「13」

◆12月14日、巨人入団会見

◆12月18日、DeNAが人的補償で田中俊太内野手の獲得を発表

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増田達至投手(西武)

宣言残留

◆12月4日、「このたびFAを行使し残留することを決めました。家族と相談して決めました。生涯ライオンズでやっていきたいと思ってます」と表明。球団は史上最長となる最大4年総額12億円超えの大型契約を用意


熊代聖人内野手(西武)

宣言残留

◆12月1日、「埼玉西武ライオンズでここまでプレーをしてきた中で、まさにライオンズファンの応援や後押しというのが僕の力の源でした。これからも、このチームの一員としていることの幸せとこのメンバーで勝つ喜び、そういった思いをこの先もずっと感じながら、ライオンズのために1日1日過ごしていきたいという気持ちです。このたび、監督、コーチ、そして支えていただいた数多くのスタッフの皆さまのおかげで、このような権利を取得できたことは大変うれしく、誇りに思います。宣言残留という形で、これからもライオンズに貢献し、ファンの皆さまにはたくさんの笑顔を届けられるよう、一生懸命頑張っていきます!」と残留を表明


FAで移籍した選手

【1993年】

落合博満(中日)→巨人

駒田徳広(巨人)→横浜

松永浩美(阪神)→ダイエー

石嶺和彦(オリックス)-阪神

【1994年】

川口和久(広島)→巨人

広沢克己(ヤクルト)-巨人

石毛宏典(西武)→ダイエー

工藤公康(西武)→ダイエー

山沖之彦(オリックス)-阪神

金村義明(近鉄)→中日

【1995年】

仲田幸司(阪神)→ロッテ

河野博文(日本ハム)→巨人

【1996年】

清原和博(西武)→巨人

田村藤夫(ロッテ)→ダイエー

【1997年】

吉井理人(ヤクルト)→メッツ

中嶋聡(オリックス)→西武

山崎慎太郎(近鉄)→ダイエー

【1998年】

木田優夫(オリックス)→タイガース

武田一浩(ダイエー)→中日

【1999年】

工藤公康(ダイエー)→巨人

星野伸之(オリックス)→阪神

佐々木主浩(横浜)→マリナーズ

江藤智(広島)→巨人

【2000年】

川崎憲次郎(ヤクルト)→中日

新庄剛志(阪神)→メッツ

【2001年】

小宮山悟(横浜)→メッツ

谷繁元信(横浜)→中日

前田幸長(中日)→巨人

加藤伸一(オリックス)→近鉄

田口壮(オリックス)→カージナルス

片岡篤史(日本ハム)→阪神

【2002年】

松井秀喜(巨人)→ヤンキース

金本知憲(広島)→阪神

若田部健一(ダイエー)→横浜

【2003年】

村松有人(ダイエー)→オリックス

松井稼頭央(西武)→メッツ

高津臣吾(ヤクルト)→ホワイトソックス

【2004年】

稲葉篤紀(ヤクルト)→日本ハム

藪恵壹(阪神)→アスレチックス

大村直之(近鉄)→ダイエー

【2005年】

城島健司(ソフトバンク)→マリナーズ

豊田清(西武)→巨人

野口茂樹(中日)→巨人

【2006年】

岡島秀樹(日本ハム)→レッドソックス

小笠原道大(日本ハム)→巨人

小久保裕紀(巨人)→ソフトバンク

門倉健(横浜)→巨人

【2007年】

福留孝介(中日)→カブス

黒田博樹(広島)→ドジャース

新井貴浩(広島)→阪神

石井一久(ヤクルト)→西武

薮田安彦(ロッテ)→ロイヤルズ

小林雅英(ロッテ)→インディアンス

福盛和男(楽天)→レンジャーズ

和田一浩(西武)→中日

【2008年】

上原浩治(巨人)→オリオールズ

野口寿浩(阪神)→横浜

川上憲伸(中日)→ブレーブス

中村紀洋(中日)→楽天

高橋建(広島)→ブルージェイズ

相川亮二(横浜)→ヤクルト

【2009年】

藤本敦士(阪神)→ヤクルト

藤井秀悟(日本ハム)→巨人

高橋尚成(巨人)→メッツ

五十嵐亮太(ヤクルト)→メッツ

橋本将(ロッテ)→横浜

【2010年】

内川聖一(横浜)→ソフトバンク

細川亨(西武)→ソフトバンク

土肥義弘(西武)→独立Lランカスター

小林宏之(ロッテ)→阪神

建山義紀(日本ハム)→レンジャーズ

森本稀哲(日本ハム)→横浜

藤井彰人(楽天)→阪神

【2011年】

杉内俊哉(ソフトバンク)→巨人

許銘傑(西武)→オリックス

帆足和幸(西武)→ソフトバンク

小池正晃(中日)→DeNA

鶴岡一成(巨人)→DeNA

和田毅(ソフトバンク)→オリオールズ

川崎宗則(ソフトバンク)→マリナーズ

岩隈久志(楽天)→マリナーズ

大村三郎(巨人)→ロッテ

村田修一(横浜)→巨人

【2012年】

平野恵一(阪神)→オリックス

寺原隼人(オリックス)→ソフトバンク

藤川球児(阪神)→カブス

田中賢介(日本ハム)→ジャイアンツ

中島裕之(西武)→アスレチックス

日高剛(オリックス)→阪神

【2013年】

涌井秀章(西武)→ロッテ

片岡治大(西武)→巨人

山崎勝己(ソフトバンク)→オリックス

鶴岡慎也(日本ハム)→ソフトバンク

久保康友(阪神)→DeNA

大竹寛(広島)→巨人

中田賢一(中日)→ソフトバンク

小笠原道大(巨人)→中日

【2014年】

大引啓次(日本ハム)→ヤクルト

成瀬善久(ロッテ)→ヤクルト

小谷野栄一(日本ハム)→オリックス

金城龍彦(DeNA)→巨人

相川亮二(ヤクルト)→巨人

【2015年】

脇谷亮太(西武)→巨人

高橋聡文(中日)→阪神

今江敏晃(ロッテ)→楽天

木村昇吾(広島)→西武

【2016年】

陽岱鋼(日本ハム)→巨人

森福允彦(ソフトバンク)→巨人

糸井嘉男(オリックス)→阪神

山口俊(DeNA)→巨人

岸孝之(西武)→楽天

【2017年】

野上亮磨(西武)→巨人

増井浩俊(日本ハム)→オリックス

大和(阪神)→DeNA

鶴岡慎也(ソフトバンク)→日本ハム

平野佳寿(オリックス)→Dバックス

大野奨太(日本ハム)→中日

【2018年】

浅村栄斗(西武)→楽天

西勇輝(オリックス)→阪神

丸佳浩(広島)→巨人

炭谷銀仁朗(西武)→巨人

【2019年】

福田秀平(ソフトバンク)→ロッテ

美馬学(楽天)→ロッテ

鈴木大地(ロッテ)→楽天

秋山翔吾(西武)→レッズ


球団別・FAで移籍した人数、獲得した人数

<FAで選手が他球団に移籍した人数>

西19

日14

ソ12

オ12

神10

中9

D9

広9

巨8

ヤ8

ロ8

楽4

近3

<FAで獲得した人数>

巨26

ソ13

神12

D9

中7

オ6

ロ5

楽5

ヤ4

西3

日2

近1

広0

※MLB他32