筑波大の今秋ドラフト1位候補左腕、佐藤隼輔投手(4年=仙台)は、開幕戦を完封勝利で飾った。

全12球団、18人のスカウトが集結した試合で、きっちり結果を残した。キレのある直球に加えてチェンジアップを効果的に使い、被安打3の2四球、8奪三振、103球で9回を投げきった。開幕投手は2年春以来で、2戦2勝。試合前は緊張もあったが「絶対に落とせないと思っていた。接戦になるイメージはしていたので、取れたのは大きい」と振り返った。

オープン戦では打ち込まれる試合もあったが、しっかり修正していた。3月24日の立大戦に先発し、3回までに制球が乱れ6四球を出した。浮く球をどうコントロールするか試合中に考え、オリックス山本由伸投手のようなテークバックを意識。「前に突っ込まないようなため、間を作るように」と微調整して感覚をつかんだ。川村卓監督は「ストライク先行で、よかった。チームの勝利、チームを勝たせられる投球だったのがプラスになる」と話した。

06年以来のリーグ優勝へ、佐藤は「勢いにのって、明日も勝って連勝できたら」と話した。チームの優勝、そして自身のドラフト1位でのプロ入りへ、アピールを続ける。ドラフト1位での指名が実現すれば、96年にオリックスから1位指名された筑波大・杉本友以来、史上2人目の国立大出身のドラ1誕生となる。【保坂恭子】

 

▼スカウトの佐藤評

ヤクルト伊東編成部長「球の質が非常によさそう。変化球の制球力もあり、まとまっている印象。左腕でコントロールもよく、球速もある。間違いなく上位候補の1人」

 

DeNA河原スカウティングディレクター「ソフトバンク和田投手のようなイメージ。チェンジアップも速い球も抜いた球を投げ分けられている。1位指名の能力、ポテンシャルは十分にある」

 

楽天後関スカウト部長「左打者に対しても、自信をもってチェンジアップを投げられている。直球も試合の中でメリハリを付けて投げている。当然、上位候補です」