巨人のドラフト6位ルーキー、山本一輝投手(22)が上々の公式戦デビューを果たした。

中京大出身の左腕は8点リードの8回に登板し、3者凡退に抑えた。「いろいろな方々への感謝の気持ちを持ってマウンドに上がりました。初登板ですごく緊張しましたが、0点に抑えられてよかったです」と充実の汗を拭った。

セットポジションから2段モーションで力強いボールを投じた。中学時代から続けるシャドーピッチングで身につけた出どころの見にくいフォームで西武打線を翻弄(ほんろう)。この日の最速は142キロながら、先頭の仲三河は141キロ直球で詰まらせ二ゴロ。カーブ、スライダー、チェンジアップの変化球もさえ、1死からはブランドンを129キロのスライダーで空振り三振に斬った。

昨年11月に仮契約を結んだ際には、球団から「中川(皓太)を超える選手になってほしい」と期待をかけられ「大事なところを任せられる投手になりたい」と誓いを立てた。チームに欠かせない投手を目指す第1歩を踏み出し「これからも必死になって頑張ります」と力を込めた。

現在チームは、守護神デラロサが米国の市民権取得手続きで、一時渡米したため隔離期間中。代役で抑えを務めたビエイラも2軍再調整となり、この日行われた1軍ヤクルト戦では終盤の失点で逆転負けを喫するなど、リリーフ陣が安定しているとは言い難い。山本は1日でも早く1軍の戦力になるべく、まずは2軍で実績を積む。【久永壮真】