セ・リーグは阪神が貯金14で首位を快走中。2位巨人は菅野、坂本が離脱するなど苦しいチーム状況ながら3・5ゲーム差に付けて追いかける。交流戦まで2週間。どのチームにも、キラリと光るプレーをみせた選手がいた。日刊スポーツの12球団担当記者が独断と偏見+愛情? で選んだ先週のチーム別MVPを紹介。セ・リーグ編です。

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【阪神佐藤輝明内野手(22)】

5月7日DeNA戦の4回に内角高めを振り抜き、右翼席最上段へ飛び込むソロを放った。これで今季10号となり、33試合目での2桁到達は、ドラフト制後の新人では03年村田修一(横浜)の36試合を抜いて最速の記録。新人で本塁打王を獲得した58年長嶋茂雄(巨人)や新人最多タイの31本打った86年清原和博(西武)より早い10号となった。9日終了時点で10本塁打はリーグ最多タイ、打点28は巨人岡本和に次いでリーグ2位につけている。

【巨人・岡本和真内野手(24)】

4番が打てばチームは勢いづく。「母の日」の9日ヤクルト戦でプロ初のサヨナラ打となる逆転サヨナラ3ラン。東京ドーム5連敗中のチームを救った。開幕直後は不振で、一時打率は1割5分9厘まで落ちたが、2割5分4厘まで上げてきた。打点30は両リーグトップ。負傷で戦列を離れたエース菅野、主将の坂本の穴を4番が埋めていく。

【中日・根尾昂(21)】

5月4日DeNA戦(バンテリンドーム)で待望のプロ1号。3回1死満塁で、先発大貫から右中間スタンドにたたき込んだ。入団3年目で初めて開幕1軍スタメンを果たしたが、4月までは打率1割台に低迷し、ベンチスタートも。4月下旬の東京遠征中にスタメンを外れ、同行しながら再調整した成果が5月になって表れた。3日からのDeNA3連戦、8日から広島2連戦(ともにバンテリンドーム)では先発を外れることなく出場。5試合16打数7安打、打率4割3分8厘で、通算打率も打率2割1分7厘と上昇曲線を描く。本拠地で根尾が打点を挙げた試合は5連勝中と「不敗神話」も継続。3年目の若竜が上位進出への起爆剤になりそうだ。

【広島・栗林良吏投手(24)】

新人ながらチームの絶対的守護神として君臨し、セ界を震撼(しんかん)させている。3日巨人戦では9回に登板し3人斬り。デビューから13試合連続無失点で2リーグ制後の新人最長記録に並んだ。翌4日の同戦でも無失点を継続し、日本新記録を樹立した。8日中日戦では、1点リードの8回1死満塁のピンチで登場し、投ゴロ併殺。9回もゼロで切り抜け、リーグトップタイの9セーブ目を挙げた。

【DeNA桑原将志外野手(27)】

先週は6試合で打率3割7分5厘、1本塁打、6打点と大暴れした。5月5日中日戦(バンテリンドーム)では7回に、6回まで無失点投球を続けていた先発浜口の代打で登場。「絶対打ったるからな」の言葉を残して打席に向かうと、2死満塁から右前へ決勝の2点適時打を放った。7日の阪神戦(横浜)では6、7回に2打席連続の適時打で1試合3打点。横浜スタジアムで行われた阪神戦での今季初白星に大きく貢献した。今季通算打率も2割8分2厘に上げ、1番に定着しつつある。

【ヤクルト金久保優斗投手(21)】

7日巨人戦で、今季初の中継ぎ登板。チームトップとなる今季3勝目を挙げた。1-3で迎えた5回から登板。普段とは違ったブルペンでの待機に「緊張感があり、試合の状況を見ながらだった。流れを読むのが難しかった」と話すも、ノビのある直球を中心に3回2安打無失点。チームの逆転勝利を呼び込んだ。これで今季5試合で防御率は1・85。21歳の右腕が抜群の安定感を見せている。