東京五輪の野球日本代表に追加招集された日本ハム伊藤大海投手(23)が、自身6連勝となるチームトップの7勝目を挙げた。12球団トップの得点力を誇るロッテ打線を7回1安打無失点、7奪三振と圧倒した。侍の力量を証明するとともに、球団の新人では史上初の6戦6勝をマーク。チームを今季4度目の3連勝にも導いた道産子ドラ1右腕は、勢い十分で金メダル獲得へ向かう。
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誰もが、伊藤は“ラストサムライ”にふさわしいと認める快投だった。「打たれたら、なんか言われるかなっていうのは正直ありましたけど」と、プレッシャーもあった侍ジャパン入り後の最初の登板。テンポよく、走者を背負っても動じない。ピンチではギアを上げて抑えきった。「今までの投球を評価していただけたので自分自身変わっちゃいけないな、と」。力強く侍の力量を発揮した。
5日に日本代表への追加招集が発表された。しっかり覚悟も決まっている。
伊藤 代表だからという気持ちではなく、本当にプロ野球界を代表して戦う自覚と責任を持って、原点の「ひたむきに」というのを念頭に置いて、頑張っていきたい。
打診された時には驚きもあった。「前半、勝ちも付いてこなかったというのもあったので、まだ自分には早いかなと正直、思っていました」。入団時は将来の目標に据えていた代表入り。今夏に実現するとは本人も予想していなかった。
五輪では中継ぎ起用が中心となりそうだが、その資質はこの日も十分に発揮した。1つは奪三振能力の高さ。6回までに奪った7三振はストレート、チェンジアップ、スライダーとウイニングショットも多彩だ。気持ちの強さもストロングポイント。菅野と投げ合って3勝目を挙げた6月6日巨人戦後に「根底の部分として、絶対に抑えてやるんだという気持ちが最終的には大事。あらためて思った」と、肝の据わった姿は侍そのものだ。
今年の正月。おみくじで大吉が出るまで粘り、14回目のくじで大吉を引いた。その執念の強さが印象的だが、たくさん引いていたのは末吉だった。「だんだん広がっていくという意味だから悪くはない」と前向きに捉えていたが、未来に向かって徐々によくなっていく運勢は、今季の伊藤の歩みと同じ。東京五輪の野球競技の決勝戦は末広がりの8月だ。金メダル獲得へ、伊藤が大きな戦力となることを証明した。【木下大輔】
○…伊藤は侍ジャパンに追加招集されたことで駒大苫小牧の大先輩、楽天田中将との共闘も実現する。「実際にしっかりお話ししたことは、あいさつ程度しかないですけど、いろいろ世界を知っている方なので、そういう部分でまた、楽しみな部分も多いかなと思います」と、日の丸を背負った同僚としての対面を心待ちにした。
▼伊藤が5月28日中日戦から6連勝。新人の6連勝以上は今年の4~6月早川(楽天)以来で、日本ハムでは87年8~10月に10連勝した西崎以来、34年ぶり。早川は途中に勝敗なしを2試合挟んでいたが、伊藤は登板6試合で6連勝。新人が登板した試合にオール白星の6連勝以上は13年6~8月に7戦7勝した小川(ヤクルト)以来となり、パ・リーグの新人では50年荒巻(毎日)が3~4月に6戦6勝、5~6月に8戦8勝して以来、71年ぶり2人目。日本ハムの新人では1リーグ時代を含めて初めてだった。



