ドラフト1位指名は、各球団の現状を映す鏡である。投手か野手か、即戦力か将来性か、選手のタイプやポジションから、そのチームの将来像を想像させる。NPBのドラフト会議は1位だけが入札による指名だ。12球団が横並びで交渉権を獲得したい選手を指名できる。くじ運には左右されるが、来季以降へ向けた最初の補強となり得るドラフト1位の重要度は、極めて高い。

20年ドラフト会議では1位指名で投手は9球団、野手は3球団(全員、内野手登録)。

高校生は3球団(投手2球団、野手1球団)、大学生は8球団(投手6球団、野手2球団)、社会人は1球団(投手)という内訳だった。

各球団が1位指名した選手の今季の成績をチーム順位順(いずれも10月10日現在)にまとめた。(選手名のカッコ内は出身=現年齢)

 

◆セ・リーグ

1位ヤクルト 木沢尚文投手(慶大=23) 1軍=出場なし。2軍=22試合、2勝8敗、防御率6・07、69回2/3、58奪三振。

 

2位阪神 佐藤輝明内野手(近大=22) 1軍=116試合、96安打、23本塁打、61打点、打率2割3分8厘。2軍=8試合、9安打、1本塁打、5打点、打率2割7分3厘。

 

3位巨人 平内龍太投手(亜大=23) 1軍=3試合、0勝1敗、防御率14・40、5回、5奪三振。2軍=38試合、5勝4敗6セーブ、防御率3・13、60回1/3、56奪三振。

 

4位広島 栗林良吏投手(トヨタ自動車=25) 1軍=47試合、0勝1敗31セーブ、防御率0・39、46回1/3、71奪三振。2軍=出場なし。

 

5位中日 高橋宏斗投手(中京大中京=19) 1軍=出場なし。2軍=14試合、0勝5敗、防御率7・01、34回2/3、23奪三振。

 

6位DeNA 入江大生投手(明大=23) 1軍=4試合、0勝4敗、防御率7・85、18回1/3、14奪三振。2軍=3試合、0勝2敗、防御率6・00、6回、7奪三振。

 

◆パ・リーグ

1位オリックス 山下舜平大投手(福岡大大濠=19) 1軍=出場なし。2軍=18試合、2勝9敗、防御率5・48、65回2/3、48奪三振。

 

2位ロッテ 鈴木昭汰投手(法大=23) 1軍=20試合、1勝4敗、防御率4・00、74回1/3、72奪三振。2軍=3試合、2勝1敗、防御率3・46、13回、8奪三振。

 

3位楽天 早川隆久投手(早大=23) 1軍=21試合、9勝6敗、防御率3・88、123回、115奪三振。2軍=1試合、1勝0敗、防御率0・00、6回、4奪三振。

 

4位ソフトバンク 井上朋也内野手(花咲徳栄=18) 1軍=出場なし。2軍=45試合、30安打、3本塁打、11打点、打率2割4分6厘。

 

5位西武 渡部健人内野手(桐蔭横浜大=22) 1軍=6試合、1安打、1本塁打、2打点、打率0割6分3厘。2軍=90試合、71安打、19本塁打、64打点、打率2割2分8厘。

 

6位日本ハム 伊藤大海投手(苫小牧駒大=24) 1軍=20試合、9勝8敗、防御率3・02、125回、122奪三振。2軍=1試合、0勝0敗、防御率2・25、4回、6奪三振。

 

1位指名選手の1年目の成績だけで各年のドラフト成否は判断できないが、各球団が現状を踏まえながら今年のドラフト会議に臨む。新たな12人のドライチは、どんな顔ぶれになるのか、注目だ。