矢野監督を胴上げする! 阪神伊藤将司投手(25)が、プロ1年目のレギュラーシーズンを振り返り、ポストシーズンでの活躍を誓った。

「んー、そうですね…100点で」

少し悩みながらも、ルーキーイヤーの自らに満点評価。開幕から先発ローテを守り、23試合の登板で10勝7敗。球団新人左腕では、67年江夏豊以来3人目の2ケタ勝利を挙げた。「先輩方もスタッフの皆さんもやりやすい環境にしてくれたので、本当にこういう結果になったんだと思います」。矢野監督もそんな雰囲気をつくってくれた1人だ。

忘れられないのは7月3日広島戦。2死満塁のピンチで、マウンドにやってきた指揮官から「お前に任せたぞ!」と声を掛けられた。「マツダでの一言が刺激的だったので、それが一番残っています。自信にもなりましたし、自分自身も戦っていくんだという一押しにもなりました」。リーグ優勝にはあと1歩届かなかったが、まだチャンスは残っている。「みんなで胴上げをしたいというのがあります」。CS、日本シリーズと完走し、恩返しの胴上げをする。

10月後半のマウンドでも、トレードマークの半袖を貫いた。11月は寒さも増すが「投げるのに支障がなければ半袖でいきたい」と迷いなし。数々のトーナメントを戦った社会人・JR東日本時代に「一発勝負」は経験済みだ。「自分のピッチングスタイルをしていけば、大丈夫だと思うので、しっかり一発勝負で投げられるように頑張りたい」。100点を自信に変えて、日本一を目指す。【磯綾乃】

○…CSでリベンジ? 伊藤将は、空気が変わる怖い打者を聞かれ、巨人坂本の名前を挙げた。「のみ込まれそうな感じ。打ちそうな感じが出ています。そういう粘ってくるバッターの方がイヤな感じがしますね」。今季は8打数4安打2四球、打率5割と打ち込まれ、2本塁打も許した。CSで対戦となれば、勝利のためにリベンジは不可欠だ。「自分の負け方が分かっていないと、次の投球には生かしていけない」。リーグ前半は6試合連続被弾や3連敗も経験したが、後半戦はわずか2敗で5勝を積み上げた。経験豊富なルーキーは、失敗を成功につなげる。