阪神嶌村聡球団本部長(54)が、去就が注目されている2年連続セーブ王のロベルト・スアレス投手(30)、国内フリーエージェント(FA)権を持つ正捕手梅野隆太郎捕手(30)について言及した。優勝争いの立役者だった2人を全力で慰留する。

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嶌村球団本部長が今オフ初めて守護神スアレスとの残留交渉を語った。メジャー球団が獲得調査を続ける中、取材に応じ「矢野監督のコメントにもあったけど、あれだけの抑えがいたら、そりゃ非常に助かりますよ」ときっぱり。離日前のスアレスに直接、残留してほしいと伝えた矢野監督も「いてもらわないと困る」と話していた。

矢野監督は常々「スアちゃんを出した時点で任せる」と全幅の信頼で最終回を任せてきた。最速163キロのクセ球で相手をねじ伏せ、今季は62試合に登板して1勝1敗42セーブ、防御率1・16と安定感は抜群だった。球団助っ人では15年呉昇桓の41セーブを抜いて最多。スアレスにいかにつなげるかで戦ってきただけに、流出となれば来季の構想が根底から崩れることになる。

昨オフもメジャー複数球団が調査する同じ状況の中、スアレスは阪神愛を貫き年俸8000万円から2億6300万円の2年契約と大幅アップで残留した。1度は保留者名簿から外れ、契約が決まったのはクリスマスイブの12月24日だった。2年目の来季は本人側に選択権があり、成績をさらにアップして今オフの市場価値は高まっている。国内他球団には移籍できずメジャー球団との勝負となり、嶌村球団本部長は「思いは現場も球団も間違いなく一緒なんで。なかなかすみません、ズバリ言える時期じゃないんで」と昨季同様スアレスの決断をじっくり待つつもりだ。(金額は推定)

 

◆阪神スアレスの今季終了後

11月7日 CSファーストステージで敗退し今季終了。「1年を通して満足。プロとして今までで一番の成績を残すことができてうれしい。ただ、最後に勝てなかったことはすごく悔しい」。試合後に家族や外国人選手と記念撮影した姿を後日、自身のインスタグラムに掲載した。

11月10日 離日の際に球団を通じ「前を向いて1位になるために来年はやっていくしかない。タイガースファンのみなさん、これからも、私のこともチームのことも応援よろしくお願いします。これからもチーム全員100%で頑張ります」とコメントした。

同日 矢野監督は「最後スアちゃんがいてくれるのはすごい安心感。いてもらわないと困る。別れ際の気持ちとしては、しっかり伝えたつもりなんで。スアちゃん、頼むぞ。オレらの気持ちはこうだからなというのは伝えた」と熱烈ラブコールしたと明かした。