<明治神宮大会:中央学院大9-8慶大>◇大学の部決勝◇25日◇神宮

関東5連盟第1代表の中央学院大(千葉県大学野球)は、最大4点差をひっくり返す逆転劇で初の日本一に輝いた。

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元ヤクルト内野手で、現在は東京ヤクルトスワローズアカデミー設立準備室・スワローズジュニア監督を務める度会博文さん(49)は、スタンドから中央学院大でプレーする長男・基輝内野手(4年=拓大紅陵)に声援を送った。「準決勝で東都の代表(国学院大)、決勝で6大学の代表(慶大)を破っての初優勝。こんなすごいことはないですよ」。息子の晴れやかな顔に負けず、自身も笑みがはじけた。

4-5で迎えた6回、3点を返し逆転し、なおも1死満塁から基輝が適時2点中前打を放つと、「小さいころから頑張っていたもんなぁ」とつぶやいた。自宅の庭にバッティングケージを作り、毎日毎日、一生懸命バットを振って練習をしていた。「その姿が、思い浮かびましたね」。懐かしく思い出した。

父を超えた秋だった。度会さんも同じ、中央学院大OB。首位打者を3回獲得するなど活躍したが、全国大会へはあと1歩及ばなかった。基輝は、父の背中を追い同校へ進学。入学時には「オヤジの記録を抜くからね」と宣言。その言葉通り、神宮大会に出場し優勝までやってのけた。「(息子に)超えられたけど、今日はよくやった、と声をかけてあげたいですね。僕のひとつの夢をかなえてくれましたから。こんな日が来るなんてね」。うれしそうにほほ笑んだ。

いつまでも小さいと思っていたわが子が、全国の舞台で躍動し、頂点をつかんだ。「投手によく声をかけるところは、僕の現役時代のプレースタイルにちょっと似ているかな」。度会さんは、大きく成長した息子の姿を、頼もしそうに見つめた。【保坂淑子】

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